1992 Fiscal Year Annual Research Report
分子遺伝学的解析による急性腎不全の桟序の解明および治療法に関する研究
Project/Area Number |
04454234
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
富田 公夫 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (40114772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 典生 東京医科歯科大学, 医学部, 助手
野々口 博史 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30218341)
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Keywords | 急性腎不全 / エンドセリン / エンドセリン受容体 / 腎糸球体 / 腎尿細管 / 集合尿細管 / 腎血管 / 微小尿細管分離法 |
Research Abstract |
急性腎不全は、およそ50%は末期腎不全に移行するか、種々の合併症により死の転帰をとることがあり臨床上重要な疾患である。従来最も強力な血管収縮性物質と言われていたアンジオテンシンIIよりもさらに強力な血管収縮性物質のエンドセリンが発見された。エンドセリンは強力な糸球体3過量減少作用を持ち急性腎不全患者の血奨レベルが高値を示すことより急性腎不全の腎障害の桟序への関与が考えられている。 今年度は基礎的検討として、正常ラットにおけるエンドセリンの発現およびエンドロリンmRNAの刺激因子、エンドセリン受溶体の腎内での分布についてPCR法を用いて検討した。エンドセリン-1の産生は糸球体と内層髄質集合尿細管だけに認められた。これらの部位において、胎児ウシ血清やTGF-βなどが刺激因子として考えられた。これらの成績はmRNAレベルだけでなくエンドセリ-1自体の産生も増加していることをVadiommuno assoyで確認している。エンドセリンの受容体にはA受容体とB受容体に分けられ、A受容体はエンドセリン-1と2に高い親和性を持ち、B受容体はエンドセリン-1、2、3にともに同程度の親和性を持つと言われている。A受容体mRNAは、糸球体、直血管系、弓状動脈にだけ認められ尿細管には認められなかった。B受容体は、糸球体、髄質集合尿細管、皮質集合尿細管、直血管、弓状動脈などに認められた。従って、糸球体、血管系には、A、B両受体が存在し、集合尿細管にはB受容体だけが存在するものと考えられる。 糸球体、髄質集合尿細管に存在するエンドセリン合成能が急性腎不全時にどのように変化するのか、またエンドリセンA,B受容体が各部位でどのように調節されるのかが重要な問題として残った。
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[Publications] K.Tomita,H.Nonoguchi,Y.Terada,F.Marumo: "Effects of cudothelin-1 on water and chloride transport in cortical collecting ducts of the rat" Am.J.Physiol. in press.
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[Publications] Y.terada,K.Tomita H.Nonoguchi,F.Marumo: "Different localization of two type endothelin receptors mRNA in micro dissected rat mephron segments using RT-PCR" J.Clin.Invest.90. 107-112 (1992)
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[Publications] H.Nonoguchi,K.Tomita F.marumo: "Effects of atrial natriuretic peptide and vaso pressin on chloride transport in long-and short-looped medullary thick ascending limbs" J.Clen.Invest. 90. 349-357 (1992)
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[Publications] K.Ujiie,Y.terada,H.Nonoguchi,M.Shinohara,K.Tomita,F.Marumo: "mRNA expression and sgnthesis of endothelin-1 along rat nephron segments" J.Clin.Invest. 90. 1043-1048 (1992)
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[Publications] Y.Terada,K.Tomita H.Nonoguchi,F.Marumo: "PCR localization of mitric oxide sgnthase and soluble guanylate cyclase mRNA in microdissected rat nephun segments" J.Clin.Invest.90. 659-665 (1992)
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[Publications] N.Miyasaka,Y.Hirata K.Ando,K.Sato,H.Morita M.Shichiri,K.Kanno,K.Tomita,F.Marumo: "Increased production of endothelin-1 in prtients with mflammatory onthritides" Arth.Rheum.35. 397-400 (1992)