1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454241
|
Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
井廻 道夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (70134228)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 隆志 自治医科大学, 医学部, 助手 (10254913)
森山 貴志 自治医科大学, 医学部, 講師 (10240706)
|
Keywords | C型肝炎ウイルス / 細胞障害性T細胞 / HLA B44 / 抗原エピトープ |
Research Abstract |
私達は,C型肝炎の肝細胞障害機序を細胞性免疫の面から明らかにする目的で,C型肝炎ウイルスコア抗原に特異的なT細胞の誘導,株化を行い,誘導されたC型肝炎ウイルスコア抗原特異的T細胞およびT細胞株について解析を進めている.先にHLA B44拘束性C型肝炎ウイルスコア抗原特異的細胞障害性T細胞がC型肝炎ウイルスコア抗原アミノ酸81-100に存在するエピトープを認識することを明らかにしたが,今年度は異なる遺伝子型に属するC型肝炎ウイルス株に相当する抗原ペプチドを作製し,HLA B44拘束性C型肝炎ウイルスコア抗原特異的細胞障害性T細胞による認識を検討した.C型肝炎ウイルスコア抗原アミノ酸81-100はアミノ酸91を除き非常によく保存されており,91位のアミノ酸も同じ遺伝子型の中ではよく保存されている.HLA B44拘束性C型肝炎ウイルスコア抗原特異的細胞障害性T細胞が誘導されるのは遺伝子型II/1bとIII/2aのC型肝炎ウイルスコア抗原ペプチドによるリンパ球の刺激によってであり,遺伝子型I/1aおよびIV/2bの抗原ペプチドでは誘導できなかった.また,HLA B44拘束性C型肝炎ウイルスコア抗原特異的細胞障害性T細胞の抗原ペプチド認識も同様であった.しかし,遺伝子型I/1aのまれな変異型で94位のアミノ酸変異を来したC型肝炎ウイルス抗原ペプチドは,遺伝子型IV/2bのC型肝炎ウイルスに感染した患者でHLA B44拘束性C型肝炎ウイルスコア抗原特異的細胞障害性T細胞を誘導した.これらの結果は,C型肝炎の発症機序の解明だけでなく,細胞障害性T細胞を誘導するワクチンのデザインにおいて重要と考えられる.
|
Research Products
(1 results)