1994 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌細胞の分化誘導による増殖制御とその臨床応用への基礎的研究
Project/Area Number |
04454246
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
斎藤 英胤 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80186949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常松 令 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80217356)
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Keywords | 肝癌 / 分化誘導 / sodium butyrate / ヌードマウス |
Research Abstract |
本研究は、薬物を用いた分化誘導による肝細胞癌の増殖制御の可能性を検討し、臨床への応用の可能性を探索することを目的にしている。この目的を達成するために(1)肝細胞癌分化誘導の可能性の検討(2)肝細胞癌分化の指標を明確にする(3)肝細胞癌分化を規定する細胞内変化を把握する(4)動物モデルを作成し、分化誘導の可能性を明かにすることを目標とした。本年度は計画に従い主に(4)につき検討した。具体的には、ヌードマウスに当教室で樹立したヒト肝癌細胞株HCC-Mを移植し、その増殖に対するsodum butyrate(SB)の影響を検討した。BALB/c backgroundのヌードマウス背部皮下にあらかじめ1X10^6個のHCC-M細胞を移植し、週3回250mg/ml濃度のSBを0.2ml静注し、癌細胞増殖に対する影響を非投与群との間で腫瘍径で比較検討した。はじめにヌードマウスに対するSBの毒性を検討したが、上記の濃度ではマウスの体重などに対して影響はみられなかった。本実験より腫瘍径で比較するかぎりではSBのin vivo投与による癌細胞増殖抑制効果は明かではなかった。得られた組織の検討では両者に若干の差がみられたが、分化の程度を定量的に比較することはできなかった。本研究からSBの投与は持続的であるべきと考えられ、持続静注が不可能であるならば、SBが多く含まれる飼料を用いて経口投与で行うべきと考えられた。
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Research Products
(1 results)