1992 Fiscal Year Annual Research Report
体質性小人症の成因に関する分子遺伝学的研究:X染色体短腕上の身長決定因子の解析
Project/Area Number |
04454280
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松尾 宣武 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50173802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安蔵 慎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80193100)
緒方 勤 東京電力病院, 小児科, 科長 (40169173)
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Keywords | 低身長 / 性染色体 / 体質性小人症 / 擬常染色体領域 / 成長決定遺伝子 / クローニング / YACライブラリー / zoo blotting |
Research Abstract |
本年度の研究実績は、1)擬常染色体領域上の成長決定遺伝子の限局化、2)同遺伝子のクローニングの基礎的検討、3)体質性小人症患者における同遺伝子の関与の検討の準備、4)性染色体異常症患者の身長を決定する主要因子の確立、に要約しうる。 擬常染色体領域上の成長決定遺伝子は、6例の部分的擬常染色体領域モノソミー患者の遺伝子型ー表現型分析に基づいて、DXYS20-DXYS15の約500kbの領域に限局しえた。これは、現在までに報告された中で、最も小さい領域である。 同遺伝子のクローニングは、1)YACライブラリーのスクリーニング、2)DXYS20-DXYS15領域のプローブの作製、3)zoo blottingによるプローブのスクリーニング、4)候補となるプローブの塩基配列の決定、により遂行中である。現在、DXYS20-DXYS15の約500kbの領域をカバーするYACの採取を終了した。また、zoo blottingにより、プローブ68Aがかなり良好に保存されていることを見出した。このプローブは、成長決定遺伝子のマーカーと考えられるHTF islandの近傍の座位を決定することから、遺伝子の一部の可能性がある。 体質性小人症患者の一部は、同遺伝子の異常による可能性がある。これを検討するため、1)内分泌学的検査成績を含め、明らかな原因が存在しないこと、2)一般集団および両親の身長に比し有意の低身長を呈すること、の2点を満足する患者の30人以上のDNA採取を終了した。 さらに、広範な文献解析から、性染色体異常症患者の最終身長が、擬常染色体領域およびY持異領域の成長決定遺伝子の遺伝子量効果、および、染色体不均衝が成長に及ぼす不利益効果の程度、の2つにより決定されることを確立した。これにより、擬常染色体領域の成長決定遺伝子の存在がより明確となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ogata,T.,Matsuo,N.et al.: "Short stature in a girl with a terminal Xp deletion distal to DXYS15 : localisation of a growth gene(s) in the pseudoautosomal region." J.Med.Genet.29. 455-459 (1992)
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[Publications] Ogata,T.,Matsuo,N.: "Comparison of adult height between patients with XX and XY gonadal dysgenesis : support for a Y-specific growth gens(s)." J.Med.Genet.29. 539-541 (1992)
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[Publications] Ogata,T.,Matsuo,N et al.: "Chromosomal localisation of a pseudoautosomal growth gene(s)." J.Med.Genet.29. 624-628 (1992)
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[Publications] Ogata,T.,Matsuo,N.et al.: "Absent chondrodysplasia punctata in a male with an Xp terminal deletion involving the putative region for CDPX1 locus." Am.J.Med.Genet.45. 101-104 (1993)
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[Publications] Ogata,T.,Matsuo,N.: "Sex chromosome aberrations and stature : Deduction of the principal factors involved in the detetmination of adult height." Hum.Henet.(1993)
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[Publications] Ogata.T.,Matsuo,N.: "Turner Syndrome Chapter : Mechanisms leading to statural changes in patients with sex chromosome aberrations" Elsvier Publication, (1993)