1992 Fiscal Year Annual Research Report
雲仙岳噴火による心理的影響の実態調査及び精神保健援助システムの確立
Project/Area Number |
04454303
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤田 長太郎 長崎大学, 保健管理センター, 構師 (50209061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 浩一 長崎大学, 医学部府属病院, 医員
太田 保之 長崎大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50108304)
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
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Keywords | 噴火 / 自然災害 / 雲仙岳 / 健康調査 / 精神保健 / 援助システム / GHQ |
Research Abstract |
平成3年11月と平成4年6月の2回、16歳以上の避難住民を対象にして一般健康調査(GHQ)を行ない、次の点を確認した。 1.「ストレス度が高く、注意を要する」人は、第1回調査では20%であったが、第2回調査では17.0%となり、約3%減少した。 2.「ストレス度がやや高く、幾分注意を要する」人は、第1回調査の47%から第2回調査の41%へと、6%減少していた。 3.「ストレス度が普通で、特に問題はない」人は33%から42%へと9%増加していた。 一方、自然災害のない対照地域をみると、 1.「ストレス度が高い」人は0.6%に過ぎず、 2.「ストレス度がやや高い」人は9%、 3.「ストレス度が普通」の人は90%となっており、長期の自然災害が住民にもたらすストレスが如何に大きく持続的なものかが明らかになった。 一方、第1回調査の結果を受けて、1.健康診断・健康相談、2.保健婦訪問活動、3.訪問相談員の訪問、などを中心にした支援活動が組織された。その結果、精神的健康度はやや回復傾向を認めた。訪問活動自体も避難住民から違和感なく円滑に受容されるようになり、訪問対象者以外の住民もサポートするという波及効果も生まれた。これらの精神保健援助システムは極めて有効性の高いものであったと評価できる。
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