1992 Fiscal Year Annual Research Report
神経血管柄付き筋肉移植における筋線維再生過程の基礎的研究
Project/Area Number |
04454311
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 敦 東京大学, 医学部(病), 助教授 (60107662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 浩太郎 東京大学, 医学部(病), 教務職員 (60210762)
朝戸 裕貴 東京大学, 医学部(病), 助手 (20222581)
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Keywords | 筋肉移植 / 脱神経 / 再神経支配 / 交差(異)神経支配 / ラット / 筋線維タイプ / ミオシンアイソザイム |
Research Abstract |
ラットを使用して神経血管柄付移植筋、脱神経筋およびself-innervation筋について、組織学的筋線維タイプの変化及びミオシンアイソゲイムの変化を経時的に観察した。 神経血管柄付移植筋においては、タイプ1:タイプ2=45:55の薄筋がタイプ1(slow myosin)が徐々に減少した。タイプ2C線維の出現、12週以降の新たなタイプ1線維の出現、増加などが観察された。タイプグルーピングは明らかには認めなかった。 脱神経筋においては、タイプ1線維の減少、萎縮が目立った。12週以降タイプに2線維の肥大が認められた。 Self-innervation筋(本来の支配神経による再神経支配)においても当初は脱神経筋と同様な変化を示すが、再支配が始まると再びタイプ1線維が増加し術前と同程度まで回復した。16週においては明らかなタイプグルーピングが見られた。 以上より、次のことが示唆された。 筋線維タイプは支配神経の影響が強いが、支配神経のみでは決まらない。(移植筋は速筋型神経である顔面神経の再支配をうけていることから)すなわち、生来筋線維は均一なものとしては存在しておらず、何がしかの速筋より、遅筋寄りの性格を賦与されている可能性がある。またそれらの可塑性についてもこれまでは制限がないとされてきたが、やはり限界があり中には完全に反対のものには変化できない種類の線維が存在する可能性がある。
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