1992 Fiscal Year Annual Research Report
分仕誘導物質による消化器癌の特異的治療の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
04454325
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小山 研二 秋田大学, 医学部, 教授 (80004638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 泰彦 秋田大学, 医学部, 助手 (80235407)
小棚木 均 秋田大学, 医学部, 助手 (00161935)
田中 淳一 秋田大学, 医学部, 助手 (30171763)
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Keywords | 胆道癌 / 悪性度 / 分化誘導 / dB-cAMP / 細胞回転 / DNA |
Research Abstract |
ヌードマウス可移植ヒト膵癌株(PK-1)に対し、分化誘導剤dB-cAMPの抗腫瘍効果を検討した。皮下投与、腹腔内投与の2方法でそれぞれ投与し、腫瘍増殖を検討した。dB-cAMP投与により腫瘍増殖は抑制され、腫瘍体積倍加時間の延長を認めた。組織学的には対照が充実性の敷石状の構造をとるのに対して、dB-cAMP投与後は管腔構造をとる部分を認め、未分化癌から低分化腺癌へと組織学的分化度の変化を認めた。以上はGastroenterologia Japonica Vol.28 No.1 1993で発表した。癌の生物学的悪性度の指標とした細胞回転は、対照に対しdB-cAMP投与での分裂指数の低下として認められた。また、Flow Cytometryによる細胞周期の解析では著明な変化を認めなかった。また、核DNA量を解析したが、DNA Indexは、変化しなかった。以上の変化について、投与経路による効果の差はなかった。 次に、ヌードマウス可移植ヒト胆管癌に対して同剤の投与を行った。腫瘍増殖抑制効果、腫瘍体積倍加時間の延長を認め、分裂指数は低下した。しかしらながら、組織学的な変化は明かではなかった。 PK-1は、倍養液中にdB-cAMPを投与することにより、コロニー形成が抑制された。 これらの結果よりdB-cAMPは、腫瘍増殖を抑制し、組織学的な分化度を変化させる効果を持つことが明らかになった。また分裂指数を低下させることから、投与により生物学的悪性度も変化すると考えられる。
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Research Products
(1 results)