1993 Fiscal Year Annual Research Report
Stable Strontiumによる防御機構の増進と抗癌剤に対する耐用性の促進
Project/Area Number |
04454326
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
長町 幸雄 群馬大学, 医学部, 教授 (30008289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 立雄 群馬大学, 医学部, 教務員 (50241899)
浅尾 高行 群馬大学, 医学部, 助手 (40212469)
竹之下 誠一 群馬大学, 医学部, 助教授 (10167489)
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Keywords | ステーブルストロンチウム(Sr) / 集学的治療 / サイトプロテクション / 免疫化学療法 |
Research Abstract |
【目的】本研究は,既報の微量元素の新しい臨床応用の有用性を踏まえ、生体に対するストロンチウム投与の有効性とそのcyto-protectiveな作用機序を明らかにする目的で、更に実験動物を用いて癌に対する集学的治療法の確立を目指して行ったものである。 【成果】動物に抗癌剤を投与すると、内因性のACTHおよびCortisolや免疫抑制物質であるIAPなどが増加する。これは生体にとっては抗癌剤の毒作用に対する応答の表出であり、負の作用でもある。今回の追加実験結果からは、(1)Srは単独あるいはPSKなどとの併用により、前記の抗癌剤の毒作用を抑制することが明瞭になった。(2)各種癌細胞で作成した癌性腹膜炎や皮下腫瘍の実験腫瘍モデル、あるいは、DMHを皮下注射して作成した発癌モデルの場合、Sr単独投与による抗腫瘍効果は明らかではなかったが、抗癌剤やBRMとの併用によって明らかな抗腫瘍効果を認めた。(3)放射線照射によって生体におこる免疫抑制などの負の作用がSrの併用で、軽減された。さらに(4)Srの作用機序をあきらかにすべく、T-cell系の免疫能の欠如したヌードマウスで同様な実験を行った結果、やはりSrの有用性が認められ、SrのT-cell系以外の免疫能への関与が強く示唆された。 以上の結果より、癌集学的治療におけるSrの有用性が再確認された。今後は、引き続き行っているSrの生体防御面での有用性の検討とあわせ、超微形態学的検討やeffector cellの同定などの面から、作用機序の解明に取り組み、臨床応用への基礎固めを行う。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takayuki Asao: "Eradication of Hepatic Metastases of Carcinoma H-59 by Combination Chemoimmunotherapy with Liposomal Muramyl Tripeptide,5-Fluorouracil,and Leucovorin" CANCER RESEARCH. 52(15). 6254-6257 (1992)
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[Publications] Atsusi Takahashi: "Observation of O_2^- generation in situ gastric mucosa of rats in the development of experimental acute gastric mucosal lesions" Cytoprotection & Cytobiology. 19. 260-266 (1992)
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[Publications] 竹之下 誠一: "免疫化学療法における内分泌系の変動について" 消化器癌の発生と進展. 4. 485-489 (1992)
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[Publications] Seiichi Takenoshita: "Temporal changes in ACTH,cortisol,and IAP in rat under immunochemotherapy with 5-FU and Krestin" In vivo. 7(2). 131-134 (1993)
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[Publications] 竹之下 誠一: "癌集学的治療におけるStable Strontium(Sr)併用の試み" Biomedical Research on Trace Elements. 4(2). 157-158 (1993)
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[Publications] Tatsuo Shimura: "The study of tumor necrosis factor β gene polymorphism in lung cancer patients" Cancer Februany 15. 73(4)(in press). (1994)