1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454332
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助手 (50211371)
林 寿夫 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (90026089)
前谷 俊三 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (10115933)
|
Keywords | 肝細胞 / コラーゲン / 繊維芽細胞増殖因子 / 血管新生 / ヌードマウス |
Research Abstract |
前年度までに、肝細胞の封入に用いる材料の物質透過性、封入した細胞のin vitroでの生存と機能維持について検討した。本年度は、生体内での肝細胞の生存と機能維持について調べるため、高分子フィルム上に肝細胞を播種して自家移植するとともに、免疫不全動物であるヌードマウスにも埋込んだ。 まず、ウサギ肝臓からコラーゲナーゼ処理により肝細胞を分離した。このウサギ肝細胞を高分子フィルム上に播種し、腹腔内の腹膜に固定することにより自家移植した。同時に肝臓を約80%切除し、肝臓の再生を促した。2週間後にフィルムを摘出したところ、播種した細胞は生存していたが、細胞の増殖は確認できなかった。これに対し、残された肝臓は再生され、肥大化していた。肝臓を切除した場合、血液内に肝再生を促す因子の生成されることが報告されていることから、腹腔内での環境では細胞の増殖に必要な因子の不足していることが考えられた。 そこで、肝細胞の維持や増殖には血管が必須であると考え、コラーゲンスポンジを血管新生因子である塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)に含浸し、そのスポンジ内に肝細胞を播種した。この肝細胞-スポンジ複合体をヌードマウスの皮下に埋込んだところ、bFGFを使用しない場合に比べ、血管が多く発生し、肝細胞の生存も良好であった。今後は、bFGFのほかにHGFなども用い、肝細胞の維持と増殖について検討する予定である。
|