1992 Fiscal Year Annual Research Report
超低体温下逆行性潅流法による脳および脊髄疵護の研究
Project/Area Number |
04454338
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡辺 隆夫 山形大学, 医学部, 講師 (60138922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 正彦 山形大学, 医学部, 教授 (20018310)
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Research Abstract |
1.細胞内pHスタンダード曲線の作成:雑種成犬にニュートラルレッドを静注後脳及び脊髄を採取ホモジュネート後9試料に分けた。これを37°,32°,27°,22°,17°の各温度で電極法でpH測定しカラー撮影2波長フライングスポットスキャナーにて波長分析した。5頭を使用したが脊髄では特に低温での発色が不良で誤差が大きい。このためミトコンドリア分画の濃縮を加えた上でのpH標準の作成が必要と考えられた。 2.逆行性灌流実験(in vivo):Laminectomy及び開頭矢状静脈洞送血併用逆行性灌流犬モデルで,組織血流及び細胞内pH連続測定を6頭で施行した。脳表での細胞内pH低下は0.17/1hourと軽微であったが,脊髄では未だ誤差が大きく評価出来ない。実験例数追加,Laminectomyの拡大と撮影条件の整備が必要である。 3.循環停止(対照,in vivo)実験:3頭で施行,脳表で0.44pH/1h脊髄で0.28pH/1hの低下を認めた。 4.循環停止(in vitro)実験:2頭で施行,中心冷却で脳温17°Cに冷却後全脳摘出,5mm毎の前額断スライスとし低温に保ちregional pHの変化を観察した。部位毎のpH gradientの観察を目的とするが,スポットスキャナーによりpH等高線を描くことが可能であり循環停止に限れば非常に有用な実験方法と思われる。 5.今後の展開:実験4はまだ2例に過ぎないが,これまでに得られなかった重要な知見をもたらす実験と思われる。Neurohumoral Effects ofrProfound Hypothermia in Infant Heart Surgery-London 18-19 March 1993において中心冷却の方法自体が未だ論議が別れ中心的な課題として再び注目を集めるに至った。本法により冷却時間,グルコース,バルビタール,血液pH等の諸問題に対して追加実験を行う必要が生じた。なお実験1-3は更に精度を高め例数を加えていく予定である。
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