1994 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の治療計画指針としての癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子の異常
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04454351
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
光冨 徹哉 九州大学, 医学部, 助手 (70209807)
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Keywords | 肺癌 / 予後 / p53遺伝子 / rb遺伝子 / LOH / 3p / 9p / microsatellite polymorphism |
Research Abstract |
平成6年度は最終年度として、p53遺伝子、網膜芽細胞腫遺伝子の解析、第三染色体短腕、第9染色体短腕、第5染色体長腕、等の解析を行うとともに、多くの遺伝子異常の総合的評価を行った。 p53遺伝子に関しては、福岡大学、産業医科大学での切除例120例における結果をすでに発表したが、時代的にぬけが少なくなくまた二施設にわっているため、症例選択にバイアスがかかると考えられた。このため産業医科大学での連続129症例を設定しこれを用いて、その他の遺伝子を含めての検討を行った。 p53遺伝子の解析はDNAレベルと免疫組織学的検討の両方を行い、予後との関連についての検討を行った。35%に突然変異を54%に蛋白の核内蓄積を認めた。両者の一致率は60%であった。予後に関する影響は、腺癌と扁平上皮癌では異なっており、腺癌ではp53の異常は予後不良因子であったが、扁平上皮癌では有意差がなかった。この集団は比較的新しい症例なので観察器官が短く、今後さらに観察を続ける必要がある。 microsatellite polymorphismをもちいた3p,5q,9pのヘテロ接合性の喪失(LOH)の解析をおこなった。それらの異常はそれぞれ51%、31%、23%で認められた。組織学的にはどれも扁平上皮癌が腺癌より高頻度であった。網膜芽細胞腫遺伝子rbの染色性の喪失は、22%の症例に認められこれは、腺癌により高頻度であった。 患者予後に対しては、何れもあまり大きな関連を持っていないようであった。しかし、早期症例の生存と一期症例の無病生存期間については3pLOH群は有意予後不良であり、今後検討を続けて行くに値すると思われた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mistudomi,T.: "Detection and sequencing of p53 gene mutation in bronchial biopsy samples in patients with lung cancer [Letter]" Chest. 106. 1309-1310 (1994)
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[Publications] 光冨徹哉: "肺癌における癌遺伝子腫瘍抑制遺伝子の変化" The Lung perspectives. 2. 135-141 (1994)
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[Publications] Mistudomi,T.: "p53 in non-small cell lung cancer[letter]" J.Nat.Cancer Inst.86. 801-803 (1944)
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[Publications] Osaki,T.,et al: "Serum concentration and tissue expression of c-erbB2 protein in patients with non-small cell lung cancer." Chest. (in press).
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[Publications] Mitsudomi T,et al.: "p53 nuclear immunostining and gene mutations in non-small cell lung cancer and their effect on patient survival." Ann.Oncol.(in press).
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[Publications] Kishimoto,Y,et al.: "Frequent loss of short arm of chromosome 9 in resected non-small cell lung cancers from Japanese patients and its association with squamous cell carcinoma." J.Cancer Res.Clin.Oncol.(in press).