1993 Fiscal Year Annual Research Report
実験的局所脳虚血による大脳障害機序:細胞反応の経時的変化
Project/Area Number |
04454354
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Research Institution | HIROSAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高屋 豪瑩 弘前大学, 医学部, 教授 (20091605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 文秋 弘前大学, 医学部, 助手 (60200383)
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Keywords | 脳梗塞 / 脊髄後根神経節出血 / 実験動物 / 性 / 年齢 / 麻酔 / 血圧 / 種 |
Research Abstract |
実験的脳梗塞を開頭されていない状態で、高い再現性を持つ病変、血流の再開通が容易に見られ安定した成果が期待できるモデル梗塞をこれまでの方法を改良したZea Longaら(1989)の方法を用いた。そのなかで年齢、種、性別、麻酔薬と使用時間などが問題となった。年齢によって病変が異なって作られることを明らかにした。種別では同じ年齢の同じ性の動物でも麻酔薬の種類で異なることを示唆できた。この様な状況は、最後まで挿入したナイロン糸を留置した病巣を大脳基底核あるいはarea 8(穿通する領域)に神経細胞の変性が散在性に出現するが、少数の神経細胞の変性がみられる群とさらに大脳基底核あるいはarea 8に擬固壊死(汎一壊死)が見られ少数の神経細胞の変性は、皮質にみられることがある群と右基底核、area 8および皮質に広範な擬固壊死を認めるがACA領域は保存されている群の3群に分けた。そのなかで永久群では時間の経緯と共に病巣に変化が見られたが、中心病巣に対して周辺病巣の改善内容程度によって左右されていた。このことは、一時的な閉塞によってこの変化が著しく早く改善され外観上あまり変化が見られなかったことと好対象の変化であった。この様な変動は、グリア細胞の変動だけからでは判断できなかったことを周辺の浮腫の推移と深い関係があり、なかでも可逆的状況を保持できた神経細胞の動態に大いに影響されていたことが推察できた。 一時的梗塞では、脊髄後根神経節には出血を見いだすことは出来なかった。しかし、永久梗塞のなかで麻酔下から24時間後に覚醒するさいに急激に大脳内の脳脊髄液圧と血圧の変動を受けて出血していたことが推察できた。しかし、膵臓の病理像に特別な変化は見られなかった。なかでも静脈への影響が急激であったと思われる例では、脊髄後索に出血を認めている。この様な状況から脊髄空洞症の発生機序を考える際の大切な情報であると考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Garcia JH Yosida Y,Li CHY: "Progression from ischemic injury to infarct following middle-cerebral-artery occlusion in the rat." Am J Pathol. 142. 623-635 (1993)
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[Publications] 森文秋: "実験的チオフェン中毒ラッの易揖性-SHRとWKYの比較-" J Toxicol Pathol. 6. 223-232 (1993)
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[Publications] 森文秋: "実験的チオフェン中毒ラットにおける下丘高周波領域の変性病変" J Toxicol Pathol. 6. 213-222 (1993)