1994 Fiscal Year Annual Research Report
培養ヒト脳血管内皮細胞を用いる悪性脳腫瘍の血管新生に関する研究
Project/Area Number |
04454357
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小池 哲雄 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (20158893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 茂樹 新潟大学, 脳研究所, 講師 (80186014)
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Keywords | glioma / angiogenesis / endothelial cell / lumor necrosls factor |
Research Abstract |
ラットの脳血管内皮細胞を用いて、in vitroにて血管新生モデルを作製した。上室下室、二室よりなる培養皿を使用し、上室にはあらかじめタイプ1コラーゲンをしき、更にそのうえに血管内皮細胞を培養した。しばらくすると血管様構造物が出現した。ラットグリオーマ細胞であるC6細胞を下室に培養し、上下室を組み合わせると血管様構造物の形成は促進された。 TNFは腫瘍の壊死を引き起こすサイトカインであり、正常血管には作用せず、腫瘍血管に選択的に作用すると言われている。TNF(tumor necrosis factor)-αは血管内皮細胞の増殖を抑制するといわれているが、血管新生に及ぼす影響は明かでない。今回上記の血管新生モデルを用いて、TNF-αの血管新生に及ぼす影響を検討した。その結果上下室を組み合わせる際に上室の培養液に100U/mlのTNF-αを加えることによって血管様構造物の形成は抑制された。またTNF-αの血管内皮細胞増殖に与える影響を、血管内皮細胞を培養したのちTNF-αを含む培養液に変更し、^3H-thymidineの取り込みを測定する事により検討した。その結果TNF-αは血管内皮細胞の増殖を抑制したが、100U/mlと1,000U/mlでは抑制の程度に差を認めなかった。TNF-αは血管内皮細胞の増殖と血管新生をともに抑制し、成長のために多くの血管を要するグリオーマの治療に有用である可能性が示唆された。
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