1992 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマにおける異常EGFRの解析とその抗体を利用した免疫化学療法の開発
Project/Area Number |
04454364
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
上田 聖 京都府立医科大学, 医学部・脳外科, 教授 (40094411)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 輔翼 京都府立医科大学, 医学部・生化学, 助教授 (10079709)
須川 典亮 京都府立医科大学, 医学部・脳外科, 助手 (50244596)
伊林 範裕 京都府立医科大学, 医学部・脳外科, 助手 (50176468)
|
Keywords | EGFR / グリオーマ(glioma) |
Research Abstract |
73例のgliomaにおいてEGFRの発現状態を検索し、16例のlow grade gliomaにおいては一例も異常EGFRを見いだすことができなかったが、anaplastic gliomaでは17例中3例(17.6%)に異常EGFRを見いだすことができ、さらにglioblastomaにおいては40例中14例(35%)に異常EGFRをみつけることができた。一方正常構造を有しているEGFRの過剰発現に関しては、40例のglioblastoma中7例(17.5%)に見つけることができた。ついで異常EGFRの種類に関しての分析では、glioblastomaにおいて見いだされた14例の異常EGFR中8例(57.1%)は細胞外領域の全く同一の欠損所見(mRNAレベルにおいて801塩基の欠損)を認めた。一方4例(28.6%)はtyrosine kinese domainを残しての欠損のパターンを示していた。そして2例(14.3%)は両側の欠損を示していた。一方生存日数の明らかである35例のglioblastomaにおいて異常EGFRの発現と生存日数との関係について調ベた。生存日数は第一回目の手術から死亡するまでの日数までとした。まず正常EGFRのみを有していた18例のglioblastomaにおいては平均440日、異常EGFRを有していた11例では平均318日、正常EGFRでありながら過剰なmRNAの発現を示していた6例では平均354日という結果が得られた。現在この細胞外領域における異常EGFRに対してモノクローナル抗体の開発を行っている。さらにtransmenbrane domain,tyrosine kinase domainにおける新たなEGFRの異常所見(point mutation)も検索中である。
|