1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454376
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山室 隆夫 京都大学, 医学部, 教授 (00088527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 克時 京都大学, 医学部, 講師 (90170969)
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Keywords | カルパインI / 化学的髄核融解 |
Research Abstract |
椎間板ヘルニアの治療としてプロテアーゼの一つであるキモパパインを注入する方法(chemonucleolysis)がある。椎間板の髄核は主にプロテオグリカンと水により構成されており、キモパパインはプロテオグリカンを分解することによって椎間板内圧を下げ、治療効果を生じると言われている。キモパパインは欧米で臨床的に使用されてきたが、その副作用(アナフィラキシーショック、神経麻痺等)のため次第に使用されなくなってきている。より安全なプロテアーゼとして、様々なプロテアーゼが実験的に使用されてきているが、いずれも異種のプロテアーゼであるので、キモパパインと同じように副作用を起こす可能性が高い。我々は、カルパインが、in vitroにおいてプロテオグリカンを分解することを証明した。さらにカルパインは人の赤血球から抽出することができる。カルパインがchemonucleolysisの効果をもつならば、同種プロテアーゼであるので、安全性がより高いと思われる。今回、家兎を用いて、椎間板にカルシウム依存性プロテアーゼ(カルパイン)を注入し、レントゲン的、組織学的および生化学的変化を経時的に調べた。カルパインを家兎椎間板に注入後、1週間でレントゲン上、椎間板の狭少化がおこった。組織学的には髄核と線維輪のプロテオグリカンが減少した。生化学的にはプロテオグリカンの小分子化が証明された。注入後8週間経過すると、椎間板はレントゲン的、組織学的にほぼ元通りに回復し、生化学的には80%の回復が認められた。したがって、カルパインは実験的にchemonucleolysisの効果をもつと考えられた。
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Research Products
(2 results)