1992 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄運動路モニタリング法の実用化に関する基礎的・臨床的研究
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04454380
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
玉置 哲也 和歌山県立医科大学, 医学部・整形外科, 教授 (30009592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 裕文 和歌山県立医科大学, 医学部・整形外科, 助手 (50214846)
川上 守 和歌山県立医科大学, 医学部・整形外科, 助手 (20195051)
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Keywords | 脊髄機能モニタリング / 脊髄運動路モニタリング / 脊髄誘発電位 |
Research Abstract |
脊髄機能モニタリングの実用化に関する基礎的研究として、ネコを用いて脊髄刺激筋記録電位、ニホンザルを用いて経頭蓋刺激脊髄誘発電位ならびに脊髄刺激筋記録電位の検討を行った結果、若干の新しい知識を得た。まず、電気刺激の条件の検討については脊髄刺激筋記録電位において、連続刺激が電位に与える促通効果とその限界を明らかにした。すなわち、条件刺激として域値下の連続刺激を数十発加えることにより従来の単発刺激や2連刺激をはるかに上回る促通効果が確認できた。 しかし、連発刺激を増加させてもそれ以上促通効果の増強しない限界点があり、さらに、域値下条件刺激にも至適刺激強度と至適持続時間が存在することが判明した。また経頭蓋刺激については従来の約2倍の198mA程度の強さの刺激を用いることにより安定した下行性電位を脊髄から記録することが可能となり、臨床的にも有用であることを確認することが出来た。 一方、脊髄刺激筋記録の電位の測定に際しての麻酔条件については、吸入麻酔薬としてのハロセン、イソフルレン使用下でも比較的浅い麻酔深度であれば、上記のような刺激条件を適用することにより、経時的評価に耐え得る電位の記録が可能であった。しかし、深麻酔(薬2MAC以上)の条件下では、従来の方法と同様、電位は不安定となり、記録、評価は困難となった。また、静脈内投与全身麻酔薬プロポフォールを使用すると、比較的深麻酔の条件下においても、安定した電位の記録が可能であった。 プロポフォールの場合も、適当な連発刺激の組み合わせの選択により、吸入麻酔薬の場合と同様、記録電位に著名な促通効果がみられる傾向は同一であった。
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[Publications] 橋本 吉弘,玉置 哲也,松浦 伸一,安藤 宗治,中元 耕一郎,山田 宏,毛保 浩明,西浦 弘晃: "高位中枢電気刺激・脊髄誘発電位(MEP)を用いた脊髄機能モニタリングの有用性について" 日本整形外科学会雑誌. 67(2). S323- (1993)
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[Publications] 橋本 吉弘,玉置 哲也,松浦 伸一,安藤 宗治,中元 耕一郎,山田 宏,毛保 浩明,西浦 弘晃: "経頭蓋電気刺激・脊髄誘発電位(MEP)の基礎的ならびに臨床的検討" 脊髄電気診断学.
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[Publications] 西浦 弘晃,玉置 哲也,松浦 伸一,安藤 宗治,中元 耕一郎,橋本 吉弘,山田 宏,毛保 浩明,峠 康: "麻酔下の脊髄刺激誘発活動電位に与える促通効果(種々の刺激条件における実験的検討)" 脊髄電気診断学.