1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454381
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石島 正之 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (70150696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成松 明子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70075472)
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Keywords | 骨電位 / 無侵襲計測 / 骨粗鬆症 / 機械的刺激 / 微少電位計測 |
Research Abstract |
この研究の目的は、骨に外力を加えたとき発生する微弱な電位を検出し、その電位と骨量との関係を把握することにある。今年度はinvitroな測定を中心として、標本骨に力を加えて、骨表面の微弱な電位を計測するための装置の開発を行なった。 このためにまず、生体に損傷を与える危険の全くない程度の力で、直接的に骨の一部を外から機械的に刺激して骨に応力を発生させる装置を製作した。この装置は任意の時間幅と時間間隔で任意の力を加えられるように設計開発した。一方、電位計測にあったては、骨からの発生電位は微少であるため、骨の変位による電極と骨のずれから発生する電気的雑音が無視できない。このため各種の電極装着方法(骨上に電極を固定しない方法と、固定する計測法)を開発した。 標本試料として犬(雄、20〜25kg)の大腿骨(全長19〜24cm、重量85〜145g)を使用した。上記の標本の両骨端を機械的に固定し骨中央部に骨軸に対して直角方向から、各強度の力(振動)を加えた。同時に一対の電極を骨表面上の各位置(骨軸に対して同側または対称の位置と、骨幹中央から骨端に向かった各距離での位置)に電極を設置し電位を測定して電位マップを作成した。 この結果1Nの力で最大1mV程度の電位を得た。変位の大きい部分ほど大きい電位を示したが、必ずしも最大変位部(中央骨幹部)が最大電位を示さなかった。また、電極の距離と電位の関係においても線形ではなく、再現性が十分とはいえなかった。この原因は、現時点では生体側の反応の不規則性よりも測定側の問題と考えられ、今後加圧方法の安定化と電極の装着の仕方の改良が必要と考えられる。
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