1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454395
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
稲田 英一 帝京大学, 医学部, 助教授 (40193552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢萩 真弓 帝京大学, 医学部, 助手 (20211617)
岡田 和夫 帝京大学, 医学部, 教授 (30082093)
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Keywords | 心筋虚血 / 冠血流量 / アデノシン |
Research Abstract |
雑種成犬をペントバルビタールで麻酔導入し、エンフルレン気管内麻酔下に大腿静脈に輸液用カニューレ、大腿動脈に血圧測定用カニューレ、さらに大腿静脈から右室駆出率も測定できる肺動脈カテーテルを挿入した。左開胸を行い、左心室内にコンダクション・カテーテル(シグマ5)とカテ先トランスデューサを挿入した。左冠動脈を剥離し、電磁流量計を装着した。収縮期、拡張期および平均動脈圧、肺動脈圧、肺毛細管楔入圧、中心静脈圧、右室容量と右室駆出率、冠動脈血流量、Emaxを血行動態の指標とした。犬を2群にわけ、アデノシン(A)投与群(A群)とニトログリセリン(N)投与群(N群)に分けた。カテーテルを挿入した後エンフルレン投与を中止し、50%笑気により麻酔を行なった。基礎となる血行動態(対照値)を測定した後、Aを100-200mug/kg/minあるいはNを1-2μg/kg/minで投与し、再び血行動態を測定した。薬物投与を中止し、その効果が消失したところで、冠動脈血流が対照値の1/3になるようにスネアにより冠動脈狭窄を作成し、AあるいはNを投与し、血行動態を測定した。測定終了後、正常心筋と虚血部心筋を取出し、そこに含まれるアデノシン、クレアチンリン酸(CP)、ATP、AMP、ADPの測定を行なった。 虚血作成前には、A投与でN投与に比べ、冠動脈血流量は有意に多かった。A,NともにEmaxは変化させなかった。両群とも虚血部においてCP、ATPが正常心筋に比べて有意に低下していた。心筋内のアデノシンは濃度が低く、ほとんどの場合測定不能であった。A群とN群では、生化学的指標に有意差が見られていないが、A群の方がN群に比べ、CPとATPの保存がよい傾向が見られた。今後も個体数を増やして実験を継続する必要がある.
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