1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454397
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
高折 益彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30068978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 健一 川崎医科大学, 医学部, 助手 (90214874)
福井 明 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50189924)
藤田 喜久 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10144263)
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Keywords | 終末呼気陽圧呼吸 / 臓器血液量 / 血液分布 / 心拍出量 / 標識赤血球 / 腹腔内圧 / 血管作動薬 |
Research Abstract |
過去の研究において終末呼気陽圧呼吸(PEEP)は胸部臓器の血液量、循環血液量を減少させ、腹部臓器(肝,脾)の血液量、大腿内側広筋の血液量を増加させることを認めた。そしてその変化が腹腔内圧を人為的に上昇させることによって少なくなり、とくに循環血液量の減少や大腿内側広筋の血液量の増加を消失させることを認めた。そして心拍出量の減少はなお持続することも認めた。これらの臓器血液量の変化、とくに臓器血液量の増加は主としてその臓器内の静脈側に生じていると想像されるので、静脈系に作用すると考えられるドパミン(5μg・kg^<-1>・min^<-1>)、イソソルビッド(2μg・kg^<-1>・min^<-1>)を投与することによって前回観察された変化がいかなる修飾を受けるか観察した。すなわち負荷するPEEPは15cmH_2Oと固定し、20cmH_2Oの腹腔内圧上昇があるか、ないかの状態を30分間隔で20分間作製、そのそれぞれにトパミン、イソソルビッドを無作意的に投与して前回同様、TC^^<99M>標識赤血球濃度とその臓器血中のヘマトリット値から臓器血液量の変化を経時的的に測定した。 脳血液量は前回同様、PEEP、腹腔内圧の影響、また両血管作動薬の影響も受けなかった。 循環血液量はイソソルバイド投与によって正常値へ回復される傾向が見られた。他の臓器血液量は両血管作動薬によって全く影響を受けなかった。心拍出量はドパミン投与により腹腔内圧負荷の有無にかかわらず上昇したが、しかしイソソルバイドの影響は受けなかった。一方イソソルバイドは右心房圧、門脈圧を腹腔内圧の変化に関係なく低下させた。 以上の結果からこれらの血管作動薬は比較的協力な(15cmH_2O)PEEP以下において使用しても安全であることが示された。またPEEP下でのドパミンの作用に示されるように、PEEPによる心拍出量の低下には一部心筋収縮力の低下が関与していることが認められた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 福井 明、高折 益彦、木村 健一、藤田 喜久: "終末呼気陽圧呼吸の臓器血液量に及ぼす影響-腹腔内圧と血管作動薬の影響" 循環制御. 15. 掲載許可済 (1995)
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[Publications] Takaori,M.,Fukui,A.,Kimura,K.,Fujita,Y.: "The effect of positive end-expiratory pressure on the cardiac output and organ blood volumes accompanied with increases in intraabdominal pressure" Proc.9th.Asian-Australasian Congress of Anaesthetists. 9:Suppl.2. 194 (1994)
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[Publications] Takaori,M.,Fukui,A.Kimura,K.,Fujita,Y.: "The effect of positive end-expiratory pressure on the cardiac output and organ blood volumes accompanied with increases in intraabdominal pressure" Pathophysiology. 2:Suppl.1. 356 (1994)