1994 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺異常増殖機構に関する分子生物学的研究:特に上皮-間質の相互作用について
Project/Area Number |
04454401
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Research Institution | Mie university |
Principal Investigator |
川村 寿一 三重大学, 医学部, 教授 (70026839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 公伸 三重大学, 医学部・付属病院, 助手 (10175995)
金原 弘幸 三重大学, 医学部・付属病院, 助手 (40225123)
林 宣男 三重大学, 医学部, 助手 (70198852)
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Keywords | 上皮-間質相互作用 / 組織組み替え / 泌尿生殖洞 / 細胞増殖 / 分泌蛋白 / ダニングラット腫瘍 / 器官培養 / KGF |
Research Abstract |
1)細胞増殖が終了し、分泌機能も確定した成獣前立腺上皮細胞においても、胎生期泌尿生殖洞間質との組織組替えにより、上皮細胞が再増殖したり、上皮細胞から分泌される蛋白に変化がみられた。上皮細胞から分泌される蛋白については、免疫組織化学染色やWeestern blotをはじめ分子生物学的技法を用いmRNAの発現まで調べた。その結果、前立腺のどの部位の上皮と組織組替えを行っても、すべての分泌蛋白を発現していた。上皮-間質相互作用により、上皮細胞の細胞増殖や新たな分泌機能発現が誘導された。 2)上皮-間質相互作用における成長因子の関与を調べるために、マウス前立腺の器官培養をSerum free conditioning mediumを用いin vitroで行った。その結果、カンドロゲンは標的細胞である間質細胞のアンドロゲンレセプターに作用し、間質細胞で産出される成長因子(KGF)が上皮細胞に働き前立腺増殖に関与している可能性が示唆された。 3)R3327ダニング前立腺腫瘍を新生児期精嚢腺間質と組織組替えを行い、間質による誘導を調べた。形態では、ダイニング腫瘍は扁平上皮細胞であるのに対し、組替え組織は高円柱上皮細胞に変化していた。増殖においても、組織組替えにより、増殖率は有意に低下した。分泌蛋白を比較すると、組替え組織の分泌蛋白はオリジナルと全く異なり、正常精嚢腺分泌蛋白の分子量に類似していた。また、Thin layer chromatographyで、テストステロンの代謝を調べた。その結果、組替え組織と精嚢腺のmajor metaboliteはDHTであるのに対しダイニング腫瘍のmajor metaboliteはナンドロスアンジオンであった。さらに、5α-reductaseactivityにおいて有意差は認められなかったが、17β-ol-dehydrogenase activityでは、組替え組織が有意に低かった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hayashi,etal.: "Permissive and instructive of adalt rodent prostatic epithelium by heterotypic urogenital sinus mesenchyme" Epithelial Cell Bidogy. 2. 66-78 (1993)
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[Publications] Sugimura Y,et al.: "Age-related changes of the prostate gland in the senescenceaccelerated mouse" Prostate. 24. 24-32 (1994)
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[Publications] Sugimura Y,et al.: "Fandamental approaches to the diagnosis and treatment for prostate cancer and BPH" Imai K,Shimazaki J and Karr JP, 213 (1994)