1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454402
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 潤 京都大学, 医学部, 教授 (50173430)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 広樹 京都大学, 医学部, 助教授 (70212107)
|
Keywords | 不妊症 / 精巣 / PCR / mRNA |
Research Abstract |
男性不妊症は泌尿器科領域で特に重要な疾患であり、大部分の症例では睾丸の造精機能の低下を原因としている。しかし造精機能低下の形態的な分類などはなされているものの、生殖細胞自身の増殖分化能力についての解析は不十分である。また不妊症の原因となる遺伝子の変化も不明である。そのため原因に応じた適切な治療は不可能な状況である。本研究の目的は、新しい分子生物学的な技術を応用することにより生殖細胞の分化制御に関与する遺伝子群を同定し、これらの遺伝子の変化に基づいて男性不妊症の分子医学的な分類を行うことである。また不妊症治療薬の開発を行なう基礎とするために、マウス雄生殖細胞の培養系を確立する。今年度は 1.微量のサンプル中のmRNAの発現量をアイソトープを使わないで定量する方法を確立した。現在ヒト不妊症患者の精巣バイオプシー標本からRNAを抽出し、この方法を用いて生殖細胞の増殖に関与していると思われる遺伝子(c-kit,SCF、等)の発現や遺伝子構造に異常がないかどうかを検討している。 2.マウス精巣から精原細胞、精母細胞などをエルトリエーターを用いて分画する条件を決定した。ついでそれぞれの細胞からからRNAを抽出し、フォスファターゼ群を増幅するdegenerate primerを用いてRT-PCRを行いクローニングにより同定中である。なおPCR法にて作製したcDNAライブラリー同士のサブトラクション法はさらに改良の必要があるために、まず特定のファミリーに属した遺伝子群について検討した。 3.造血細胞ではc-kit蛋白を介したシグナル伝達にmi遺伝子座産物が関与しているが、生殖細胞では関与していない事が分かった。なお雌miマウスでは、出産時に子宮内反症をおこしやすいことを見いだした。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Nakayama,H.: "Quantification of mRNA by non-radioactive RT-PCR and CCD imaging system" Nucleic Acids Research. 20. 4939- (1992)
-
[Publications] Horie,K.: "Expression of c-kit protein during placental development" Biology of Reproduction. 47. 614-620 (1992)
-
[Publications] 藤田 潤: "腎細胞癌における癌遺伝子の研究と臨床応用:腎細胞癌の抗インターロイキン6療法の試み" 泌尿器科紀要. 38. 1335-1336 (1992)
-
[Publications] 金子 嘉志: "DNA診断" 病態生理. 12. 241-249 (1992)
-
[Publications] Caruana,G.: "Responses of the murine myeloid cell line FDCP-1 to soluble and membrane-bound forms of steel factor(SLF)" Experimental Hematology. (1993)
-
[Publications] Suzuki,J.: "Characterization of murine hemopoietic-Suppoitive(MS-1 and MS-5) and non-suppoitive(MS-K) cell lines" Leukemia. 6. 452-458 (1992)
-
[Publications] Yoshida,O.: "Renal Cell Carcinoma:Immunotherapy and Cellular Biology" marcel dekker,inc., (1993)