1992 Fiscal Year Annual Research Report
より強い抗腫瘍活性を示すLAK細胞の誘導ならびに腎癌治療における臨床応用
Project/Area Number |
04454403
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 悦次 大阪大学, 医学部, 講師 (90116070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都宮 正登 大阪大学, 医学部, 助手 (30223580)
瀬口 利信 大阪大学, 医学部, 助手 (60196970)
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Keywords | 腎癌 / interleukin-2 / LAK / CD3 / 免疫療法 |
Research Abstract |
進行腎癌に対しinterleukin-2(1L-2)併用を併った,lymphokine-activated killer(LAK)細胞による養子免疫療法をおこなっているが,まだ十分な効果とは言えない。残念ながら進行腎癌治療に広く使用されているinterferonを凌駕するには至っていない。本療法の効果を向上させるためには,より強い抗腫瘍活性を有するLAK細胞の誘導の必要性が痛感される。ところでT細胞抗原であるCD3に対する抗体であるanti-CD3が低濃度でT細胞を活性化することが知られている。本研究ではLAK細胞誘導時に低濃度のanti-CD3を同時添加し、腎癌由来細胞株OUR-10,OUR-20または患者自身の腫瘍細胞に対し1L-2単独添加時よりも強い抗腫瘍活性を有するようになるかを,dye uptake法によりin vitroで検討を加えた。 腎癌患者から末梢血リンパ球を採取し,1L-2 anti-CD3あるいは両者で3〜5日間培養したものをeffecterにした。anti-CD3のみで培養したリンパ球はanti-CD3の濃度にかかわらず殺細胞効果を認めることができなかった。1L-2とanti-CD3の両者で培養したものと1L-2単独で培養したものとを比較すると,ある細胞株に対しては1L-2単独時よりも強い殺細胞効果を示すようになるものもあるが,他の細胞株に対しては1L-2単独の殺細胞効果を減弱させるという逆の現象も観察された。また,自己腫瘍細胞に対しては,ある症例は1L-2単独よりも強い殺細胞効果がみられるが,他の症例ではむしろ減弱させるという細胞株をtargetにした時と同じ現象が認められた。症例によりarti-CD3の相加効果は異なるという結論に達した。現段階ではanti-CD3を腎癌患者に対する免疫療法の一つとして投与するには適応症例の選択が重要な課題であり,in vitroで確認した上で適応すべきであると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中野 悦次: "進行腎癌に対するLAK(Lymphokine-Activated killer)療法" 泌尿紀要. 38. 1305-1309 (1992)
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[Publications] Nakano E et al: "Concanavalin A-Induced.Suppressor Cell Activity in Patients With Renal Cell Carcinoma" Cancer. 68. 2586-2590 (1991)