1992 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内感染の切迫早産誘発機序及びその防止に関する研究
Project/Area Number |
04454418
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 侃 大阪大学, 医学部, 講師 (90093468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西崎 孝道 大阪大学, 医学部, 助手 (20237689)
倉智 博久 大阪大学, 医学部, 助手 (40153366)
田坂 慶一 大阪大学, 医学部, 助手 (50155058)
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Keywords | 羊膜 / 子宮筋 / スーパーオキシト / カルシウム / マグネシウム / pH |
Research Abstract |
我々は、子宮内感染の切迫早産誘発機序を明らかにすべく、まず感染巣局所において活性をもっと考えられるうちスーパーオキシドの羊膜細胞における細胞内イオン変動及びアラキドン酸遊離について検討を加えた。その結果、スーパーオキシドイオンは組織障害を引き起こす濃度より低濃度でもアラキドン酸遊離を引く起こすことを明らかにした。更に細胞内各種イオン測定を行いそのメカニズムを検討すると、細胞内pHはやや上昇し、その後に細胞内カルシウムが上昇することが明らかとなった。細胞内pHと細胞内カルシウムの関係について細胞内カルシウムの上昇には細胞内pH変動に伴うものと独立したものが存在し、独立したメカニズムは細胞膜カルシウムチャンネルを介したものであることが示された。細胞内カルシウムイオンの上昇は細胞外または細胞融合を用いた細胞内へスーパーオキシドデイスムターゼの添加により抑制されたことから、同イオンの上昇はスーパーオキシドに特有のものであると考えられた。我々は、更に細胞内マグネシウムイオンに注目し同胞細では初めて測定した。結果的には細胞内マグネシウムイオンは細胞内カルシウムイオンに先行して低下する事が初めて明らかになった。更に細胞内マグネシウムイオン濃度をマグネシウムアイオノファで上昇させておくとスーパーオキシドによる細胞内カルシウム上昇は抑制され、またアラキドン酸遊離作用も抑制されることが明らかとなった。羊膜細胞は子宮局所のプロスタグランデイン産生場所の一つと考えられており、本研究は感染における子宮収縮のメカニズムに迫るものである。一方、最近我々は子宮筋において細胞外マグネシウム上昇が細胞内マグネシウムの上昇を引き起こし、オキシトシンに対して細胞内カルシウム上昇が抑制されるとの結果を得た。このように子宮内では各種刺激は細胞内イオン変動を通じてその生理現象をあらわすことが明らかにされつつある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nobuyuki Masumoto: "Regulation of intracullular Mg^<2十> by super oxide in amnion cells" Bio chem Biophy Res Comm. 182. 906-912 (1992)
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[Publications] Jirou Mizuki: "Magunesium sulfate inhibits oxytocin induced calcium mobilization in human myometrial cells" Am.J.Obstet Gynecol.