1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト妊娠維持機構における局所および全身の免疫機序の研究
Project/Area Number |
04454425
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
牧野 恒久 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30085758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 秀彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40219465)
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10209702)
岩崎 賢一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00203365)
豊島 究 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00197964)
杉 俊隆 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70196707)
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Keywords | 反復流産 / 習慣流産 / 不育症 / 全身性免疫 / 局所免疫 / 免疫療法 / 遮断抗体 / 先天性子宮奇形 |
Research Abstract |
平成4年度は本研究の初年度にあたり、本研究の推進のための研究班の組織とそれぞれの分担の決定に始まり、以下の点について鋭意研究を進めた。 本研究の第一歩は臨床上の反復自然流産患者の登録とその原因の解析に始まった。初年度は1.520組の不育症夫婦を登録した。これらを対象に妊娠維持機構破綻の原因を臨床的に検討したところ、先天性子宮奇形(214症例)、夫婦いずれかに染色体異常のあるもの(106症例)、自己免疫疾患とくに抗リン脂質抗体陽性例(24症例)等の異常を見いだした。これら自然流産となりうる原因を可及的に除いた夫婦482名を免疫的原因によるものか否か次の研究対象にした。 これら抽出された症例については全身性免疫については抗HLAとくに抗D/DR抗体、抗イディオタイプ抗体、リンパ球のサブセットの変化などについて、夫リンパ球を用いた免疫療法の前後に検討した。その結果、リンパ球感作後は有意に遮断抗体の出現が確認された。母体血中のT細胞の割合はcytotoxic T細胞が減少し、helper T細胞が増加した。着床部位を中心とした脱落膜中の局所免疫系では、流産例の組織ではマクロファージ、NK細胞などが正常組織に比べ優位であった。 これらの結果は第7回国際ヒト生殖免疫学会(1992年9月、ローマ)において報告した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Makino: "Incidence of congenital uterine anomalies in repeated reproductive wastage and prognosis for pregnancy after metroplasty" International Journal of Fertility. 37. 167-170 (1992)
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[Publications] T.Makino: "Surrey of 1120 Japanese women with a history of recurrent spoutaneous abortions" European Journal of Obstetrics & Gynecology and Reproductive Biology. 44. 123-130 (1992)
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[Publications] 牧野 恒久: "抗リン脂質抗体" 臨床婦人科産科. 46. 1015-1016 (1992)