1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト妊娠維持機構における局所および全身の免疫機序の研究
Project/Area Number |
04454425
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
牧野 恒久 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30085758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 伸晃 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70224219)
松林 秀彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40219465)
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10209702)
岩崎 賢一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00203365)
杉 俊隆 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70196707)
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Keywords | 反復流産 / 習慣流産 / 免疫療法 / フローサイトメーター / FCXM / 活性化T細胞 / 遮断抗体 / 脱落膜 |
Research Abstract |
平成5年度は本研究の第2年目にあたり、平成4年度の研究で抽出した患者群を対象にヒトの妊娠維持機構について全身および局所の免疫機構の両面から解明を進めた。 習慣流産と免疫療法については前年度より継続して適応とみなした症例について本療法を施行した。その結果、473名を対象に夫リンパ球を用いた免疫療法を施行し279例が本療法後妊娠し、191例が出産、23例が妊娠継続中、57例が再度流産した。流産を除いた妊娠継続率は77.7%であった。(免疫療法における父親由来リンパ球に対する母体血中の抗体の動態を検討する目的でフローサイトメーターを用いたクロスマッチ(FCXM)法を用い、71名の免疫施行者48例の妊娠例について検討したところ、T-FCXM陽性36例中わずか6例(16.7%)が流産したのに反し、T-FCXM陰性例では12例中7例(58.3%)が流産し(P<0.01)、本法による免疫モニタリングが可能なことが判明した。) 局所免疫機構と妊娠維持に関して自然流産時の脱落膜組織中の免疫担当細胞をフローサイトメーターで解析した。その結果、活性化T細胞に特異的なCD3+/HLA-DR+細胞が正常妊娠時の脱落膜組織に比較して有意に多く、妊娠維持と活性化T細胞に関係が示唆された。 一方、妊娠中に産生されるとされる遮断抗体を検討する目的で(FCXM法で胎児Tリンパ球に対する母体血清中の抗体(IgG)を検討した。その結果、経産婦のごく一部の症例に妊娠初期から抗胎児リンパ球抗体の産生を認め、一部の経産婦と初産婦では妊娠後期から同抗体の存在を認めたが、その他のほとんどの症例ではその存在・産生が確認されず、本抗体が妊娠に必須である証明は得られなかった。 これらの結果は、ヒトの妊娠維持機構に全身・局所の多彩な免疫機構の関連が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nobuaki Ozawa: "b_2-GPI-Dependent and Independent Binding of Anticardialipin Antibodies in Patients with Recurrent 〓pontanpons Abortions" Journal of Clinical Laboratory Analysis. (in press).
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[Publications] Ken-ichi Iwasaki: "Detection of Anti-Iymphocyte Antibodies against Fetal Lymphocytes by Flow Cytometric Crossmatch during Human Pregnancy" Journal of Clinical Laboratory Analysis. (in press).