1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454430
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原田 康夫 広島大学, 医学部, 学長 (30033963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 直樹 広島大学, 医学部・附属病院, 助手
藤井 守 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (20253081)
宮脇 浩紀 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80253079)
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Keywords | 内耳 / 非感覚細胞 / カルシウム / ストレプトマイシン / ライソゾーム / 小胞体 / ゴルジ装置 |
Research Abstract |
内耳非感覚細胞のカルシウム動態とその意義を明らかにするために本年度は研究計画に従い、以下の成果をあげる事ができた。 半規管膨大部領域暗細胞表面耳石のカルシウム含有量を測定すると耳石の変形の程度に応じたカルシウム含有量の減少が観察された。暗細胞表面の耳石分布様式を正常群とストレプトマイシン(以下SM)障害群で比較すると正常群において観察された規則性が障害群では消失することが解明された。また単離暗細胞のカルシウム動態をカルシウム画像解析装置で観察すると、高濃度カリウム負荷により細胞内カルシウムが増加し、カルシウムブロッカーによりこの反応が制御されることが確認された。 卵形嚢斑支持細胞では培養系を使用し、SMによる障害でライソゾームが経日的に増加し、顆粒、小胞体が消失した。ゴルジ装置の活性も抑制されていたが、SM無添加培地に交換後はゴルジ装置の活性が増加し、ライソゾームの減少、小胞体の再形成が認められた。ゴルジ装置、ライソゾーム、分泌顆粒、小胞体が密接な関係をもっていることが解明された。またSM障害により増加したライソゾーム及び残存する分泌顆粒にはカルシウムが含まれており、このことからライソゾーム内にみられる顆粒は分泌顆粒が取り込まれたものであることが示唆された。 単離前庭有毛細胞では、高濃度カリウム負荷による細胞の運動性にはアクチンを主体とした細胞骨格が関与していることが示唆された。また内リンパ嚢細胞の単離法が確立され、今後更に各種刺激に対するカルシウム動態を観察していく予定である。 これらの成果はInternational Symposium on Vestibular Disorders(1994年1月、広島)、第3回日本耳科学会(1993年11月、名古屋)で発表するとともに、10編の論文にまとめられた。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Takumida M,Harada Y et al.: "Cytoskeletal organization of the vestibular supporting cells.Saponin perfusion method for observing intracellular structures by scanning electron microscopy." Acta Otolaryngol(Stockh). 114(印刷中). (1994)
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[Publications] Takumida M,Harada Y et al: "Cytoskeletal organization of the vestibular sensory epithelia." Acta Otolaryngol(Stockh). 114(印刷中). (1994)
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[Publications] Takumida M,Harada Y et al: "Cytoskeletal organization of the vestibular sensory epithelia.scanning electron microscopy" Auris Nasus Larynx(Tokyo). (印刷中). (1994)
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[Publications] Takumida M,Harada Y et al: "Carbohydrate of the vestibular end organs detected by gold labelled lectins." Otology Japan. (印刷中). (1994)
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[Publications] Takumida M,Harada Y et al: "Motile Response of isolated vestibular cells." Auris Nasus Larynx(Tokyo). (印刷中). (1994)
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[Publications] Takumida M,Harada Y et al: "Isolated vestibular sensory cells in the guinea pig." ORL. (印刷中). (1994)
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[Publications] 宮脇浩紀、原田康夫他: "前庭単離有毛細胞のF-アクチン" Equilibrium Research. Suppl 9. 148-151 (1993)
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[Publications] 小田ゆかり: "ストレプトマイシンによる卵形嚢斑支持細胞の変化" 日本耳鼻咽喉科学会会報. 96巻11号. 1950-1961 (1993)
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[Publications] Fujii M,Harada Y et al: "Otoconia on the vestibular dark cells of the ampulla areas." Acta Otolaryngology. (印刷中). (1994)
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[Publications] Mori N,Harada Y et al: "Changes of the calcium distribution in the utricular supporting cells of the guinea pig." Acta Otolaryngology. (印刷中). (1994)