1992 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-Iとぶどう膜炎に関する基礎的・臨床的研究
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04454448
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
望月 學 久留米大学, 医学部, 教授 (10010464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白尾 真 久留米大学, 医学部, 助手 (20226319)
池田 英子 久留米大学, 医学部, 助手 (70222875)
岩城 陽一 久留米大学, 医学部, 助手 (70203354)
宮原 章拓 久留米大学, 医学部, 助手 (40209929)
長崎 比呂志 久留米大学, 医学部, 助手 (90172519)
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Keywords | HTLV-I / ぶどう膜炎 / 血清疫学 / PCR法 |
Research Abstract |
初年度において、HTLV-Iとぶどう膜炎の関係を明かにする目的で、HTLV-Iの高浸淫地域の宮崎県南部都城市の眼科専門病院と低浸淫地域の久留米市(久留米大学病院眼科)の二つの地域で、血清疫学調査と分子生物学的研究を行なった。 血清疫学調査の結果、原因不明のぶどう膜炎に対するHTLV-I感染の相対危険度(オッズ比)は、20〜49歳の成人若年者群では、宮崎県都城市(HTLV-I高浸淫地域)で11.0、福岡県久留米市(HTLV-I低浸淫地域)でも7.8と極めて高い値であったのに対し、50歳以上の高齢者群では、都城市で2.0、久留米市で1.6と低かった。このことから、HTLV-I感染は、従来原因不明とされているぶどう膜炎の危険因子、特に成人若年者において高い危険因子であることが明らかになった。 また、HTLV-I抗体陽性で原因不明のぶどう膜炎患者の房水中の炎症細胞から、polymerase chain reaction法でHTLV-Iのプロウイルス(DNA)が検査した9例全例に検出されたが、一方、HTLV-I抗体陽性でもベーチェット病や原田病などの原因の明らかなぶどう膜炎の患者ではHTLV-Iプロウイルスは検出されなかった。さらに、2例のHTLV-I抗体陽性の原因不明のぶどう膜炎の前房水中細胞からは、HTLV-IのプロウイルスDNAのみならず、HTLV-Iの遺伝子発現(mRNA)も検出された。以上より、HTLV-I感染細胞が、これらの患者の限局所に存在し、ぶどう膜炎の発症と病態形成に積極的に関与すると考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mochizuki,M.,Watanabe,T.,Yamaguchi,K.,et.al.: "HTLV-I Uveitis:A Distinct Clinical Entity Caused by HTLV-I" Japanese Journal of Cancer Research. 83. 236-239 (1992)
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[Publications] Mochizuki,M.,Watanabe,T.,Yamaguchi,K.,et.al.: "Uveitis Associated with Human T Lymphotropic Virus Type I:Seroepidemiologic,Clinical,and Virologic Studies" The Journal of Infectious Diseases. 166. 943-944 (1992)
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[Publications] Mochizuki,M.,Watanabe,T.,Yamaguchi,K.et.al.: "Uveitis Associated with Human T-cell Lymphotropic Virus Type I" American Journal of Ophthalmology. 114. 123-129 (1992)