1993 Fiscal Year Annual Research Report
Porphyromonas gingivalis酵素と歯周病との関連
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04454461
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| Research Institution | FUKUOKA DENTAL COLLEGE |
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Principal Investigator |
萩原 義郷 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00088931)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上西 秀則 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (90084300)
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| Keywords | P.gingivalis / protease / bradykinin / inflammation / Hageman factor |
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| Research Abstract |
成人性歯周炎関連微生物群の中でPorphyromonas gingivalisは最も重要な細菌として知られている。疾患と本菌のかかわり合いについて多面的な角度からのアプローチが試みられ、多くの報告がなされてきた。本研究は特にP.gingivalisが菌体外に産生するプロテアーゼに着目し、このプロテアーゼの病原因子としての役割を明らかにすることを目的として行われた。研究初年度(平成4年度)ではP.gingivalisが菌体外に産生するプロテアーゼを分離、精製し、その生化学的性質を明らかにするとともに、モルモットを用いた動物実験でプロテアーゼは明らかに血管透過性を亢進させることを確認した。この成績はP.gingivalis産生プロテアーゼが直接起炎物質として働きかけていることが示唆された。
平成5年度はプロテアーゼによる血管透過性亢進作用の解析を行った。以下その成績を述べる。
1.P.gingivalisプロテアーゼ(以下プロテアーゼ)による血管透過性亢進反応はその量に比例して発現された。また、加熱不活化したプロテアーゼではその反応は観察されなかった。従ってこの反応はプロテアーゼのproteolytic activityに起因することが示された。
2.プロテアーゼがもたらす血管透過性亢進は抗ヒスタミン剤の影響を受なかった。
3.合成基質を用いた実験の結果、プロテアーゼは活性化ハーゲマン因子様の性質を有し、さらにカリクレイン様活性をも有していることが明らかにされた。
4.プロテアーゼはブラジキニン産生カスケード(カリクレイン-キニンカスケード)で最も重要なハーゲマン因子を活性化した。従ってプロテアーゼが示す透過性亢進作用は生体因子を刺激して生じたブラジキニンによるものであることが示唆された。
5.カリクレイン-キニンカスケードの構成因子に対する各種インヒビターを用いた動物実験で、プロテアーゼによる反応は明らかに阻害されることが観察された。
6.ブラジキンの増強因子(CPNI)あるいは分解酵素(CPB)を用いた動物実験で、プロテアーゼの透過性進作用は明らかに影響を受け、反応は前者では200%以上強く発現され、後者では反応は逆に20%以下に減弱されて発現された。
以上のことから、P.gingivalisが菌体外に産生するプロテアーゼは血管透過性を亢進させ、炎症発現作用を有していることが明らかにされた。また、その作用機序を解析した結果、プロテアーゼはカリクレイン-キニンカスケードを構成するハーゲマン因子、プレカリクレインおよびプラスミノーゲンを活性化してブラジキニンを放出させることが明らかにされた。
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[Publications] Hagihara,Y.et al.: "Enhancemcnt of vascular pcrmcability by protcinascs from Porphyromonas gingivalis in guinea pigs" Dentistry in Japan. 29. 160-166 (1992)
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[Publications] Cho,T.et al.: "The relationship bctwccn cvclic adenosine 3′,5′,-monophosphate and morphology in cxponcntial phasc Candida albicans" Journal of Medical and veterinary Mycology. 30. 35-42 (1992)
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[Publications] 上西秀則 他: "Candida albicansが産生するカルボキシルプロテアーゼによる血液凝固因子の活性化" 歯科基礎医学会雑誌. 35. 221-226 (1993)
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[Publications] Kaminishi,H.et al.: "Vascular permeability enhancing activity of Porphyromonas gingivalis proteasc in guinea pigs" FEMS Microbiology Letters. 114. 109-114 (1993)
