1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454468
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
井神 浩一 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (80222834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉羽 邦彦 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (30220718)
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Keywords | フッ素徐放性 / 光重合型修復材 / 裏層材 / 歯質接着性 / 辺縁封鎖性 / 歯髄刺激 |
Research Abstract |
本年度は、試作フッ素徐放性光重合型修復用材料ならびに裏層用材料に関する、物性、動物実験等の基礎的研究結果を総合評価した。本研究では最近新たに開発された試作フッ素徐放性光重合型修復用材を使用し、その物性を検討したところ、ヒト抜去歯の歯頚部5級窩洞または根面窩洞における辺縁漏洩試験で、市販されている各種従来型グラスアイオノマーセメントに比較して優れた結果を示した。本試作修復材から徐放されるフッ素量は他のグラスアイオノマー系セメントに匹敵し、その歯質への取り込みもX線マイクロアナライザーによって確認され、本試作材料より徐放されたフッ素による象牙質の耐酸性の向上が認められた。またこの修復材には酸性度を緩和するために水酸化カルシウムが添加されえているが、実際に中性に近いpHを示した。動物実験においては、ほとんど歯髄に対する為害性を示さず、非常に生体親和性の高い充填材料であることが示唆された。これらの研究結果から、本試作フッ素徐放性光重合型修復用材は、象牙質と化学的に接着しフッ素を長期間にわたって放出する機構を備えることにより2次ウ蝕の発生を防止し歯牙を長く口腔環境内で保存するために有用であることが示された。これらの結果を踏まえ、臨床応用の可能性を検討するため、適応症例を選択し、両試作材料を用いた修復処置を行い、経過観察を行っている。
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