1992 Fiscal Year Annual Research Report
根管内細菌による炎病性サイトカンの誘導と根尖性歯周炎発症機序の解析
Project/Area Number |
04454475
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川越 昌宜 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40028741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有村 祐子 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (30222764)
岩元 裕子 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10191454)
長岡 成孝 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (10155913)
高田 春比古 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (30135743)
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Keywords | 根管内細菌 / TNF / IL-6 |
Research Abstract |
まず我々は、根管内細菌によるヒト末梢血からの炎症性サイトカイン、特にTNFとIL-6の誘導能を調べた。これまでの報告をもとに、根管内から特に高頻度に分離される菌株9菌株(P.intermedia,P,gingivalis,P.endodontalis,P.melaninogenica,P.asaccharolytics,F.nucleatum,A.actinomycetemocmitans,P.acnes,M.rteus)を選び出し、それぞれの菌の増殖に適した培地を用いて大量培養を行なった。その後、これらの乾燥菌体を調整し、実験に供試した。 次に、多発性でかつ難治性の根尖病巣を有する患者2名のヘパリン加末梢血を採取し、これらに先の乾燥菌体を添加した。in vitroで1日培養した後、培養上清を回収した。その後、これらの培養上清中のTNF活性をL929細胞に対する傷害作用で、またIL-6活性をMH60.BSF2細胞の増殖を指標にしてMTT法でそれぞれ調べた。なお、陰性対照には根尖性歯周炎に罹患していない健常者の末梢血を用いた。その結果、多発性で難治性の根尖病巣を有する患者末梢血では健常者のそれに比べて、被験菌体による有意に高いTNFおよびIL-6誘導能が認められた。また、6種類のグラム陰性菌の菌体は患者末梢血に対して強いサイトカイン誘導能を示した。特に、P.intetrmedia、P.asaccharolyticsおよびP.melaninogenicaの3菌株に対して強いIL-6誘導能を、またP.intermediaに対して強いTNF誘導能を示した。以上の結果から、これら4菌株が、根尖性歯周炎の起炎菌として重要な役割を担っている可能性が示唆された。
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