1993 Fiscal Year Annual Research Report
デュアルキュアタイプのレジンセメントの理工学的性質におよぼす光線照射条件の影響
Project/Area Number |
04454477
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Research Institution | Nihon University School of Dentistry |
Principal Investigator |
小野瀬 英雄 日本大学, 歯学部, 教授 (70059426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野浦 光 日本大学, 歯学部, 助手 (90165126)
滝川 智義 日本大学, 歯学部, 講師 (90147645)
黒田 隆 日本大学, 歯学部, 助教授 (80059790)
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Keywords | レジンセメント / デュアルキュア / 光線照射条件 / 重合率 |
Research Abstract |
デュアルキュアタイプのレジンセメントは、ライトキュアの性質が強く、インレー体を透過する光線量はその重合硬化にとって重要な因子となることが指摘されている。そこで、臨床的な光線照射条件の光学的検討を行うとともに、それぞれの条件が本セメントの硬化物の理工学的性質におよぼす影響について検討を行ってきたが、現在までの実験の進行状況ならびに得られた知見について報告する。 1.光線照射条件 光線照射条件を検討するにあたって、光源である照射器に着目し、その光強度ならびに分光波長分布の測定を行った。その結果、光強度、分光波長分布ともに機種による違いは大きく、光強度については同一機種であっても、製造番号が異なれば測定値にも差が認められた。 レジンセメントに対する光線照射条件としては、光強度、照射時間および照射時期の変更ならびにセメント液に対する前照射方式について検討を加えた。 2.レジンセメントの物性 光強度ならびに照射時間の変更して、レジンセメントの物性を評価したところ、セメント硬化物の物性は光エネルギー依存性があることが判明した。とくに歯質接着性の点からは、光エネルギーが等しければ、光強度および照射時間が変わっても得られる測定値はほとんど同じとなる傾向が認められた。 光線照射時期として前照射方式を用いた場合、セメント泥の硬化時間は、セメントに照射を行わなかったものに比較して短縮し、また被覆厚さはほぼ同程度となった。また、製造者指示の照射方法に前照射を加えることによって、圧縮強さならびに曲げ強さの測定値は向上することが判明した。 以上の知見を元に、今後さらにこのセメントの臨床使用条件を確立するための検討を継続して行う予定である。
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[Publications] 秋山佳英: "コンポジットレジンインレーに関する研究-とくにレジンセメントの液体に対する前照射が歯質接着性におよぼす影響について-" 日本歯科保存学雑誌. 35. 1307-1314 (1992)
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[Publications] 宮崎真至、秋山佳英、日野浦光、滝川智義、黒田隆、小野瀬英雄: "デュアルキュアータイプのレジンセメントに関する研究-とくに前照射方式が二重結合の反応率におよぼす影響について-" 歯科審美. 6. 120-121 (1993)
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[Publications] 宮崎真至、穴田直仁、陸田明智、今井元、日野浦光、井上めぐみ、清水正俊、小野瀬英雄: "コンポジツトレジンインレーに関する研究-とくにレジンセメント練和後の光線照射時期が硬化物のヌープ硬さおよび象牙質接着性におよぼす影響について-" 日本歯科保存学雑誌. 36. 770-778 (1993)