1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454478
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
西村 和晃 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40098017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 耕平 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20103103)
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Keywords | 歯セメント質由来蛋白 / プレセメンタム / 液体クロマトグラフィー / 細胞走化性 |
Research Abstract |
我々は、セメント質でも十分に石灰化していないプレセメンタムを抽出材料として選んだ。歯列矯正治療上の理由により抜去された10〜15歳の患者の歯(健全歯)から、プレセメンタムをスケーラーで掻爬、PBS5mlに注入した。そしてその蛋白成分を溶出させるため、voltexで数分間振盪した。次に、3000rpmでそのPBSを5分間遠心後、上澄液を0.22μメンブレンフィルターで濾過し、その濾液2mlをTSK・G3000SWゲル濾過用カラムにて分子量分画を行った。数個でたピークのうち、歯肉線維芽細胞が一番高い走化性を示したFraction34(分子量7〜8万)について、物理化学的性質を調べたところ、以下のような性格を示した。1)分子量:75,000+5000、2)等電点:6.5+1.0、3)熱安定性:60℃、30分間の加熱処理により失活しない、4)酵素に対する安定性:プロテアーゼ処理で失活する、5)走化性:歯肉線維芽細胞に対するchemoattractant活性はTGF-βおよびPDGFに対する抗体によって阻害されない。このprecementum-derived growth factor(PCDGF)は、Somermanらの分離したBSP-IIとは抽出方法および分子量が異なった。また、McAllisterらが分離した55kDの活性メイン蛋白は、TSK・DEAE・3SWカラムトグラフィーでの溶出位置が0.25〜0.3M NaCLであるのに対し、PDDGFのメインは0.5M NaCLであった。以上のことから、我々が見いだしたこの物質は、新規性があると考え、現在、さらに精製、構造決定の作業を行っている。
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