1993 Fiscal Year Annual Research Report
EMGバイオフィードバックと三点接触型油圧ジャッキによる咬合採得法に関する研究
Project/Area Number |
04454480
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡辺 誠 東北大学, 歯学部, 教授 (80091768)
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Keywords | 咬合採得 / 油圧ジャッキ / EMGバイオフィードバック / 咬合高径 |
Research Abstract |
有床義歯補綴における咬合採得は、最も重要な行程の一つである。しかし、優れた客観性と再現性を有する垂直的下顎位の採得法は、未だ確立されていない。著者は、これまでに患者の感覚機能を利用した垂直的下顎位採得法に着目し、咬合の高さ感覚に関する種々の研究を行ってきた。その結果、咬合採得時には床下粘膜における咬合圧力分布を考慮する必要性が示唆された。よって本研究では、一定の咬合圧を床下粘膜に付与しながら垂直的下顎位を決定することの可能な三点接触型油圧ジャッキの開発、ならびに既に水平的下顎位の決定に有効とされるEMGバイオフィードバックと本装置を併用した咬合採得法を精神物理学的手法により検証し、本法の臨床的有効性を検索することを目的とした。本実験では無歯顎者二名を被験者とし、三点接触型油圧ジャッキを用いて咬合高径を種々に変化させた際の被験者の回答をもとに、適正な咬合高径を検索した。なお実験では、タッピング運動下での試行と床下粘膜の感覚系を賦活させる意味での中等度のクレンチング下での試行をそれぞれ被験者に指示し、比較検討した。本研究において以下のことが明らかとなった。 1)三点油圧式ジャッキを用いた垂直的下顎位の咬合採得では、適正と思われる垂直的下顎位の決定が可能であった。 2)本法は、中等度のクレンチングを利用することで、よりその精度が上がることが明らかになった。 3)本法は、臨床上、十分に許容できるような再現性を有した。 4)本装置の操作上の簡便性や、それによって得られた結果が優れた客観性と再現性を有することから、本法の高い臨床的有効性が示唆された。
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[Publications] 渡辺 誠: "バイオフィードバックを用いた顎関節症の治療とその臨床成績" 下顎運動機能とEMG論文集. 10. 145-148 (1992)
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[Publications] 渡辺 誠: "バイオフィードバックを用いた咬合治療による顎関節症の治癒経過" 日本補綴歯科学会雑誌. 38(in printed). (1994)
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[Publications] 佐々木啓一: "EMGバイオフィードバックを応用した咬合診査に基づく顎関節症治療の臨床成績" 日本補綴歯科学会雑誌. 38(in printed). (1994)