1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454482
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
水谷 紘 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (00014324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (90172395)
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Keywords | 咬頭干渉 / 筋電図 / 咬みしめ / 非対称性指数 |
Research Abstract |
今年度は、作業側の干渉を「顎位を作業側にした時に全ての歯が接触する」という観点からとらえ実験を行った。被験者は、男性4人(平均年齢26.3歳)で、第三大臼歯を除き歯の欠損はなく、顎口腔系に異常が認められない健常有歯顎者である。被験筋は左右側咬筋浅部(M)・側頭筋前部(AT)・側頭筋後部(PT)の6筋を用い、左右側咬筋の活動量の和を咬みしめ強さの指標とし、咬頭嵌合位での最大咬みしめ時の50%の強さで各顎位での咬みしめを指示した。口外描記装置を用いて下顎の位置を規定し、描記装置上にあらかじめ描記しておいた習慣性閉口位(HP)、左右犬歯尖頭位(C-C)、HPからC-Cの中間点(1/2)、更にHPから1/2の中間点(1/4)の7つの顎位を求め、この位置でスプリントが全ての歯と接触し、高径の変化が最小限になるよう調整を行った。筋活動は電極間距離を15mmに固定した双極性表面電極にて導出した。データ処理は、サンプリングレート500μSECでAD変換後、整流化・平滑化して1.4秒間の実効値を算出し、これを用して、非対称性指数Asymmetry Index(以下、AIと略す)を算出した。 下顎が片側へ偏位した場合、側頭筋前部および側頭筋後部では偏位側で活動量が大きくなり非偏位側では小さくなる傾向を示したが、咬筋の活動量にははっきりとした変化傾向は見られなかった。この活動量を用いて算出したAIの変化は、側頭筋前部と側頭筋後部では下顎が右側へ偏位するとプラス側に大きくなり、左側へ偏位するとマイナス側に大きく変化した。即ち、側頭筋前部と側頭筋後部では下顎偏位側の筋活動が対側に比べ優位となった。更にこのAIの変化は、左右側犬歯尖頭位までの1/4の位置、即ち習慣性閉口位から左右へ約2mmの範囲で顕著であった。一方、咬筋では、変化傾向がはっきりせず、AIの変化は小さい範囲にとどまった。
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