1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454496
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00014332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 英治 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20221541)
大谷 啓一 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10126211)
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Keywords | 骨形成因子 / 器官培養 / インシュリン / 骨折治癒 / ラット頭蓋骨 / 臨床統計 |
Research Abstract |
1.骨形成因子の骨形成に対する効果を解明するのに有用と思われるラット胎児頭蓋骨を用いた骨形成を行う組織培養系を確立した。 2.この骨形成器官培養系を用いて、インシュリンには骨形成促進効果のあることを明らかにした。すなわちインシュリンは、培養後のラット胎児頭蓋骨の骨中カルシウム含有量および脱灰後組織重量を、対照に対してより増加させることを明らかにした。また^<45>Caなどの放射線同位元素の取り込み量あるいは放出量の測定し、インシュリンには骨中にカルシウムを保持する作用のあることを示した。さらに組織学的所見についてはこれを画像処理し定量化することにより、インシュリンは骨芽細胞および破骨細胞に作用し、骨形成を促進することを明らかにした。培地中のPGE_2の測定により、インシュリンがPGE_2の産生を抑制することにより破骨細胞の出現を抑えることを示唆した。また骨形成は好気的条件下においてより促進されること、骨吸収因子とされているEGFは、本実験系において骨形成を抑制することも明らかにした。 3.骨形成因子の一つと目されている骨形成タンパク質(bo ne mo rphogenetic protein,BMP)のPCR法によるクローニングを行った。またBMPのtype IA receptorのクローニングも行い、BMPによる石灰化におけるその発現をみた。 4.コルヒチン投与ラットに生じる異所性骨組織を用い、その骨形成-骨吸収過程において、骨蛋白質の一つであるオステオポンチンmRNAの発現を、in situ hybridization法により追うことができた。 5.顎骨骨折の治癒過程を臨床統計学的に調べ、特に骨形成期にある小児の骨折治癒過程を実験的、臨床的に検討した。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 二藤彰: "骨形成に関与する細胞成長因子についての基礎的研究;第1報 骨形成タンパク質cDNAのPCR法によるクローニング" 日本口腔外科学会雑誌. 39. 103-109 (1993)
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[Publications] Naoya Arai: "Osteopontin mRNA expression during bone resorption : an in situ hybridization study of induced ectopic bone in the rat" Bone and Mineral. 22. 129-145 (1993)
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[Publications] 天笠光雄: "骨の疾患(外傷・炎症・嚢胞・腫瘍)" 東京都歯科医師会雑誌. 41. 167-173 (1993)
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[Publications] 田代貴之: "下顎骨骨折に対する顎間固定後の開口障害についての臨床的検討" 日本口腔外科学会雑誌. 39. 1228-1233 (1993)
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[Publications] Hisako Yano: "Effects of insulin on in vitro bone formation in fetal rat parietal bone" Endocrine J.41. 293-300 (1994)
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[Publications] Kohsuke Takeda: "Molecular cloning of rat bone morphogenetic protein (BMP) type IA receptor and its expression during ectopic bone formation induced by BMP" Biochem.Biophys.Res.Comm.204. 203-209 (1994)
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[Publications] Kohsuke Takeda: "Expression of bone morphogenetic protein genes in the human dental pulp cells" Bone. 15. 467-470 (1994)
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[Publications] Nobuyuki Tanaka: "Aetiology of maxillofacial fracture" British J.Oral Maxillofac.Surg.32. 19-23 (1994)
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[Publications] Nobuyuki Tanaka: "Maxillofacial fractures in children" J.Cranio-Maxillo-Facial Surg.21. 289-293 (1994)
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[Publications] 田中伸幸: "小児顎骨骨折の臨床的検討" 日本口腔外科学会雑誌. 40. 770-775 (1994)