1992 Fiscal Year Annual Research Report
徴小唾液腺造影像解析による唾液腺の障害と回復に関する実験的研究
Project/Area Number |
04454505
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神田 重信 九州大学, 歯学部, 教授 (20014003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有地 淑子 九州大学, 歯学部, 助手 (60232063)
荒木 和之 九州大学, 歯学部, 講師 (50184271)
米津 康一 九州大学, 歯学部, 助手 (70167039)
湯浅 賢治 九州大学, 歯学部, 助手 (40136510)
吉浦 一紀 九州大学, 歯学部, 講師 (20210643)
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Keywords | ラット / 耳下腺 / 唾液腺造影法 / 結紮 / 回復 |
Research Abstract |
唾石症などの唾液腺の閉塞性疾患において、その腺体が適切な処置を施すことにより回復可能であるか否かをX線学的に判定することは未だ困難であり、そのために治療法の選択に苦慮することも稀ではない。本研究の目的は、このような唾影像における損傷腺体の保存可能不可能の判定基準を定量的に求めることである。そのために、実験動物に閉塞性変化を惹起させ、そこからの変化をX線学的および組織学的に解析した。 組織像の違いにより、各腺を回復群、軽度炎症群、中等度炎症群、重度炎症群の4群に分類し、正常群を加えて5群とした。定性分析の結果、炎症群においてはその程度にかかわらず、いずれも末梢導管系に細顆粒状陰影を認め、主導管系の拡張およびクリップ相当部の狭窄も残存していた。一方回復群では、主導管系の拡張およびクリップ相当部の狭窄は残存していたが、末梢導管系に正常群と同様の細い枝分かれ構造が認められた。 唾影像をデジタル化し、主導管、中間導管、末梢導管および腺系に相当する4段階の画素値に分類し、それぞれの画素値の頻度分布より、回復像と炎症像の定量的判別区分を求めた。その結果、主導管系に相当する画素値の頻度分布の上昇は、回復群と炎症群の両者で認められた。末梢導管系・腺系については、炎症群ではその程度にかかわらず画素値の頻度分布の低下が認められたのに対し、回復群では、その頻度分布は正常群と同程度であった。これらの結果より、損傷腺体の唾影像が回復像を呈しているか否かは、末梢導管系・腺系に相当する画素値の頻度分布より定量的に判別できることが判明した。平成5年度は、これらの結果をふまえて結紮期間・結紮圧を変化させ、前述の所見がどのように修飾されるかを検討する予定である。
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