1992 Fiscal Year Annual Research Report
エナメル上皮腫の発生及び腫瘍細胞の増殖と分化に関する研究
Project/Area Number |
04454507
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
樋口 勝規 九州大学, 歯学部, 助手 (70117224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安本 茂 神奈川県立がんセンター研究所, 研究2科, 主任研究員 (00112342)
中村 典史 九州大学, 歯学部, 助手 (60217875)
田代 英雄 九州大学, 歯学部, 教授 (20037500)
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Keywords | エナメル上皮腫 / 細胞増殖 / 細胞分化 / ヒトパピローマウイルス |
Research Abstract |
1.エナメル上皮腫の無血清培養の確立 (1)細胞分散:エナメル上皮腫由来の上皮細胞は、2%コラゲナーゼ液を用いて容易に分離培養が出来た。 (2)無血清培地の検討:ケラチノサイト無血清培地(KGM)(クラボウ社)を用いると、線維芽細胞の混入が少なく、上皮細胞のみを分離増殖可能であった。ダルベッコ改変イーグル培地やハムF12等の他の上皮用培地は、線維芽細胞も同様に増殖し、上皮細胞のみの分離培養は不可能であった。さらに、KGMを用いた方が長期に培養可能であり、最高3カ月(4〜5継代)培養できた。 (3)添加成長因子の検討:ケラノサイト増殖因子(KGF)、ビタミンA、TGF-βについて検討中である。 (4)1次培養における細胞の性状についての検討:1次培養のおいて、エナメル上皮腫より形態学的に数種類の上皮細胞が分離培養できた。基底細胞様の小さな立方形細胞、比較的大きな扁平上皮様細胞、紡鐘形細胞などに分類すると、基底細胞様および扁平上皮様の細胞が増殖能が高かった。今後、免疫組織学的方法を用いて、組織像との比較検討を加える予定である。 2.エナメル上皮腫由来細胞株の樹立 (1)ヒトパピローマウイルス16型(HPV16)による不死化細胞の樹立:現在HPV16DNA導入細胞を2種類作製し、増殖能を維持したまま3カ月間培養中である。今後長期間の培養および観察が必要である。株化を確認した後、細胞の特性について検討の予定である。 (2)basic FGF発現ベクターによる不死化細胞の樹立:比較的増殖能をもつ細胞にbFGFDNAを導入し、現在観察中である。今後長期間培養可能であれば、細胞の特性について検討を行う予定である。
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