1992 Fiscal Year Annual Research Report
カリクレイン・キニン系の研究;遺伝的キニノゲン欠損ラットを用いた解析
Project/Area Number |
04454534
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大石 幸子 北里大学, 薬学部, 教授 (70050416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 征治 北里大学, 薬学部, 助手 (90200039)
宇都宮 郁 北里大学, 薬学部, 助手 (70168722)
八巻 幸二 北里大学, 薬学部, 助手 (70174597)
林 泉 北里大学, 薬学部, 講師 (90172999)
上野 晃憲 北里大学, 薬学部, 助教授 (00112657)
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Keywords | 高分子キニノゲン / ブラジキニン / キニノゲン欠損ラット / Brown Norway rat / 高血圧 / エンドトキシン / ブラジキニン・アンタゴニスト / 血管透過性亢進 |
Research Abstract |
(1)キニノゲン欠損ラットのB/N-Katholiekの繁殖や生理値また欠損の遺伝形式について;B/N-Katholiekは正常の同系のB/N-Kitasatoと比較して生長曲線、繁殖仔数等において大きな差は認められなかった。両ストレーン間の交配を行い、F_1世代を得た。B/N-Katholiekの♂とB/N-Kitasatoの♀との交配、又はその逆の組合せの交配を行い、F_1同志から次世代のF_2を得、キニノゲン欠損の出現を血漿中高分子キニノゲン量をRIAで測定して調べた。F_1世代では正常の約50%のキニノゲン量であったが、F_2世代では、キニノゲン量が正常値のもの、中間の値のもの、欠損のものという様に3つのグループに分れた。欠損の出現率は雄性24.2%、雌性で23.3%、平均で23.8%であり、メンデルの常染色体劣性と推定された。 (2)B/N-KitasatoとB/N-Kathobikラットの血圧変動:無麻酔下及び麻酔下の観血的血圧測定の結果両ストレーン共に生後8週令から30週令まで大きな変動はみられず、またストレーン間に差は認められなかった。しかし飲料水中に2%の食塩を負荷したところ、B/N-Katholiekラットでは開始後14週後あたりから血圧上昇が認められたが、正常のB/N-Kifasatoラットでは変化が認められなかった。この実験から、高血圧発症の初期にキニンが血圧上昇に防衛的にはたらいている可能性が推定された。 (3)大腸菌エンドトキシン(リポポリサッカライド)による血管透過性亢進におけるキニンの関与:エンドトキシンを正常およびキニノゲン欠損ラットの脊部皮内に注射した時にあらわれる血管透過性亢進の程度を、あらかじめ静脈内投与した色素の漏出量で評価すると、キニノゲン欠損ラットでは正常の約50%であった。また正常ラットのエンドトキシンによる色素漏出量は、ブラジキニン受容体拮抗薬のHoe140の併用によって、有意に抑制された。從ってエンドトキシンによる血管透過性亢進に、内因性のキニンの関与が推定された。(日本薬理学会発表予定)
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[Publications] I.Hayashi,H.Fujii,M.Mita and S.Oh-ishi: "Characterization of the heredity of Kininogen deficiency in Broun Norway Katholiek strain rats" Life Sciences. 51. 135-142 (1992)
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[Publications] I.Hayashi and S.Oh-ishi: "Plasma Kininogen deficiency… Associated defective secretion of Kininogens by primary cultures of hepatocytes from Brown Norway Katholiek rats" J.Biochemistry(Tokyo). 113. (5)- (1993)
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[Publications] T.Hoshino,I.Hayashi and S.Oh-ishi: "Presence of high molecular weight-Kininogen in rat Kidney and leukocytes" Japanese Journal of Pharmacology. 58. 415- (1992)