1992 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン分沁におけるCa^<++>グナリングの分子生物学的研究 ー糖尿病発症との関係ー
Project/Area Number |
04454555
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
清野 進 千葉大学, 医学部, 教授 (80236067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 均 京都大学, 医学部, 助手 (80212893)
五ノ井 透 千葉大学真核微生物研究センター, 助手 (30134365)
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Keywords | カルシウム / インスリン / 膵ランゲルハンス島 / ブドウ糖 / 糖尿病 |
Research Abstract |
ラットのインスリ産生細胞RINm5FからcDNAライブラリーを作成し、すでに報告したヒト膵β細胞型電位依存性カルシウムチャネル(VDCC)α1サブユニット cDNAをプローブに用いてスクリーニングを行い、ラット膵β細胞型VDCCα1サブユニットの全長cDNAを単離した。ラット膵β細胞型とヒト膵β細胞型VDCCα1サブユニットの間では90%以上のアミノ酸の同一性が認められた。ラット膵β細胞型VDCCα1サブユニットと同一のisoformをアメリカのグループが脳から単離したが、C端が膵β細胞型と異なっており、このisoformは組織特異的なalternative splicingを受けている可能性が示された。また、RINm5FcDNAライブラリーよりチャネル活性を制御するサブユニットである新たなβサブユニットの全長cDNAも単離した。膵β細胞型VDCCの電気生理学的特性、薬理学的特性を解析するために、α1サブユニット単独あるいはα1サブユニットとβサブユニットを同時に動物細胞で発現させ、カルシウム電流をパッチクランプ法、細胞内カルシウムの動態を蛍光指示薬を用いた画像(imaging)により解析中である。予備実験から、発現したCa^<2+>チャネルはL型であることが示唆されている。また、糖代謝異常におけるカルシウムチャネルの遺伝子発現を検討するためにラットに意識 下で48時間グルコース接続注入を行った後、膵ランゲルハンス島を単離し、膵β細胞型のVDCCα1サブユニットの遺伝子発現量を測定したところ、グルコース注入したラットでは膵β細胞型VDCCα1サブユニットの遺伝子発現が明らかに低下しており、グルコース長期投与によるインスリン反応性の低下、いわゆる膵β細胞の脱感作にはVDCC遺伝子発現の抑制が関与している可能性があるという極めて興味ある新知見が得られた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Seino,S.: "Assignment of the gene encoding the α1-subunit of the neuroendocrine/brain-type calcium channel(CACNL1A2)to human chromosome 3,band p14.3." Genomics. 30. 1375-81 (1992)
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[Publications] Takeda,J.: "Human Oct3 gene family:cDNA sequences,alternative splicing,gene organization,chromosomal location,and expression in adult tissues." Nucleic Acids Res.12. -4630 (1992)
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[Publications] Yamada,Y.: "Somatostatin receptors,an expanding gene family:Cloning and functional characterization of human SSTR3,a protein coupled to adenylyl cyclase." Mol.Endocrinol.6. 2136-2142 (1992)
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[Publications] 清野 進: "膵β細胞の新しいCa^<2+>チャネル" 実験医学. 10. 651-654 (1992)
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[Publications] 岩島 保法: "膵ラ氏島における2種類の電位依存性Ca^<2+>チャネル遺伝子の発現" 糖尿病. 35. -139