1993 Fiscal Year Annual Research Report
解糖・糖新生酵素遺伝子の調節領域に対するインスリン作用機転と糖尿病病態との関連
Project/Area Number |
04454561
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河野 典夫 大阪大学, 医学部, 教授 (30093412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑島 正道 大阪大学, 医学部, 講師 (00205262)
花房 俊昭 大阪大学, 医学部, 助手 (60164886)
難波 光義 大阪大学, 医学部, 助手 (00183533)
嶺尾 郁夫 大阪大学, 医学部, 助手 (40243240)
中島 弘 大阪大学, 医学部, 助手 (50252680)
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Keywords | インスリン非依存型糖尿病 / 解糖系 / 糖新生系 / インスリン作用 / OLETF / グルコキナーゼ / ピルビン酸キナーゼ / ホスホフルクトキナーゼ |
Research Abstract |
糖代謝律速酵素遺伝子の調節領域に対するインスリンの作用機転はいまだ不明である。そこでインスリン非依存型糖尿病に特有の肝の糖代謝異常を分子生物学的に解明する目的で,モデル動物であるOLETFラットの肝の解糖系および糖新生系律速酵素の酵素活性とmRNAを分析して,次の結果を得た。成績はすべてLETOラットを対照としている。 16週齢より,空腹時血糖は上昇,血漿インスリンも上昇し,体重の増加が認められた。解糖系のグルコキナーゼ(GK)とピルビン酸キナーゼ(PK)の酵素活性は増加し,mRNA量も増加した。しかしホスホフルクトキナーゼ(PFK)は酵素活性,mRNAは不変であった。一方,糖新生系のグルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)とフルクトース-1,6-ビスホスファターゼ(FBPase)の酵素活性は増加していたが,ホスホエノールピルビン酸カルボキシナーゼ(PEPCK)活性は不変であった。なおFBPaseとPEPCKのmRNA量は不変であった。 肝の解糖系と糖新生系の律速酵素は,ホルモンや食餌の変化に呼応してreciprocalに活性活動するのが通常であるが,このモデルラットでは両代謝系とも酵素活性が亢進するという奇異な結果が得られた。つまり解糖系酵素に対してはインスリン作用が発現し,糖新生系酵素に対しては反インスリン作用が発現している。インスリン非依存型糖尿病を特徴づけるこの現象のメカニズム解明が今後の課題となるが,その候補として,酵素遺伝子に至る細胞内インスリン作用伝達機構の異常,あるいはインスリン作用と反作用を併せ持つ未知の生理活性物質の存在などが示唆される。
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[Publications] Itoh,N.: "Mononuclear cell infiltration and its relation to the expression of MHC antigens and adhesion molecules in pancreas biopsy specimens from newly diagnosed IDDM patients." J.Clin.Invest.92. 2313-2322 (1993)
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[Publications] Yamagata,K.: "Overexpression of HLA class I antigen reduces insulin secretion in pancreatic β cells(RINm5F)" Res.Commun.Chem.Pathol.Pharmacol.81. 299-308 (1993)
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[Publications] Waguri,M.: "Occurrence of IDDM during interferon therapy for chronic viral hepatitis" Diabetes Res.Clin.Pract.(in press).
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[Publications] Namba,M.: "Clinical evaluation of biosynthetic glucagon treatment for recovery from hypoglycemia developed in diabetic patients" Diabetes Res.Clin.Pract.19. 133-138 (1993)
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[Publications] Asakawa,H.: "Effects of tumor necrosis factor α on the thyroid peroxidase content,DR antigen expression,and number of microvilli in cultured human thyrocytes." Biomed.Res.14. 5-11 (1993)
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[Publications] 堀田紀久子: "NIDDMモデルラットOLETFにおける肝糖代謝酵素の発現" 糖尿病. (印刷中).
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[Publications] 河野典夫: "神経疾患の遺伝学" 金原出版, 508 (1993)
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[Publications] 河野典夫: "新臨床内科学" 医学書院, 1646 (1993)