1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454563
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
春日 雅人 神戸大学, 医学部, 教授 (50161047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 伸郎 神戸大学, 医学部, 助手 (30243299)
横野 浩一 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (50144580)
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Keywords | ミトコンドリア遺伝子 / NIDDM / IRS-1遺伝子 |
Research Abstract |
本年度は、NIDDMにおけるミトコンドリア遺伝子3243番目の異常について検討を加えた。対象は、日本人若年発症もしくは家族歴濃厚なNIDDM患者200例と同様のインド人80例である。すなわち、合計280例の患者の末梢血よりDNAを抽出し、3243を含む領域をPCR法にて増幅し、A→Gへの変異にて制限酵素Apa I認識部位が出現することを利用して本変異の有無を検討した。その結果、日本人6家系7例にミトコンドリア遺伝子の本変異を認めた。本変異を有する糖尿病者は、同様に母親が糖尿病である糖尿病者と比較し、(1)糖尿病発症年令が若い、(2)体系がやせ型、(3)インスリン治療を必要とする割合が高いという特色を有していることが明らかとなった。以上の結果よりミトコンドリア遺伝子3243番目の変異による糖尿病者はNIDDMの中にも見い出され、その頻度は他の遺伝子異常による糖尿病より高いと考えられた。また、本年度はIRS-1(Insulin Receptor Substrate-1)遺伝子のNIDDM患者における遺伝子異常についても検討した。IRS-1は分子量180,000の蛋白であり、インスリン受容体によりインスリン依存性にチロシン燐酸化されると考えられている。すなわち、IRS-1はインスリン作用の伝達において、インスリン受容体の次のステップを果たしている重要な蛋白と考えられている。従って、NIDDM患者のインスリン抵抗性の原因になりうる蛋白である。我々はPCR-SSCP法により上述の日本人NIDDM患者200例のIRS-1遺伝子の異常についてスクリーニングし、7例に異常を認めた。詳細については現在検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 春日雅人: "インスリン抵抗性糖尿病の1例におけるインスリン受容体遺伝子の分子生物学的検索" 日本外科学会雑誌. 93. 968-971 (1992)
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[Publications] Tamori,Y.: "Substitution at Pro^<385> of GLUT1 perturbs the glucose transport function by reducing conformational flexibility." J.Biol.Chem.269. 2982-2986 (1994)
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[Publications] Hagino,H.: "Enzyme-linked immunosorbent assay for human autophosphorylated insulin receptor:applicability to insulin-resistant states." Diabetes. 43. 274-280 (1994)
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[Publications] Mori,H.: "Substitution of Tyr^<293> of GULT1 locks the transporter into an outward-facing conformation." J.Biol.Chem.(in press). (1994)
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[Publications] Kishimoto,M.: "Substitution of glutamine for arginine1131:A newly-identified mutation in the catalytic loop of the tyrosine kinase domain of the human insulin receptor" J.Biol.Chem.(in press). (1994)