1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454578
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山村 研一 熊本大学, 医学部, 教授 (90115197)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若杉 正司 熊本大学, 医学部, 助手 (50201140)
|
Keywords | 遺伝子トラップ / EC細胞 / キメラマウス / lacZ / ネオ耐性遺伝子 |
Research Abstract |
遺伝子トラップ法を効率良く行なうため、3種類のベクターを作製し検討した。ベクターは基本的に、lacZの部分、プラスミドの部分、ネオ耐性遺伝子の部分の3つの部分よりなる。ネオ耐性遺伝子のポリAを除去することによりトラップ効率を上昇させうるかどうかを主眼に検討した結果、ネオ耐性遺伝子のポリAを除去してもタンデムに接続してES細胞内に組み込まれた場合には、lacZのポリAを利用しうること、しかしながら電気穿孔法を行なう時の条件設定をきちんとやれば殆んどの場合1コピーしか組み込まれないことが分った。ポリA除法により約6倍の効率でlacZ陽性細胞を取りうることが分った。lacZ遺伝子内の開始コドンの有無は遺伝子トラップの効率には殆んど関係がなかった。ES細胞にトラップベクターを導入しネオ耐性株を多数単離した後に、分化誘導の前後でlacZ発現が消失するか上昇するかを示標に6つのESクローンを単離した。これらのクローンの解析の結果、マウス内在性遺伝子の0.6〜3.0kbの範囲内のものは容易に単離できること、その領域内にプロモーター活性を有するかどうかを簡単に解析できること、塩基配列決定の結果4つのクローンについてはプロモーター領域と考えられるコンセンサス配列が存在していたこと、これらのいずれもが既知のものではなく未知のものであること、この場合にはエクソントラップとならず全てプロモータートラップとなっていたこと、トラップベクターの3'側には大きな欠失や再構成が生じているらしいことが明らかとなった。MS1ES細胞には生殖細胞に分化できなかったが、D3ES細胞を用いることによリ遺伝子トラップ後も効率良く生殖キメラマウスを作製できることが明らかとなった。現在10系統の生殖キメラマウスを得て交配中である。
|
-
[Publications] Suematsu,S.,Yamamura,K.et al.: "Generation of plasmacytomas with the chromosomal translocation t(12;15)in interleukin 6 trangenic mice." Proc Natl Acad Sci USA. 89. 232-235 (1992)
-
[Publications] Zhao,X.,Yamamura,K.et al.: "Developmental and liver-specific expression directed by the serum amyloid P component promoter in transgenic mice." J Biochem. 111. 736-738 (1992)
-
[Publications] Murakami,T.,Yamamura,K. et al.: "Effect of serum amyloid P component level on transtyretinderived amyloid deposition in a transgenic mouce model of familial amyloidotic polyneuropathy." Am J Pathol. 141. 451-456 (1992)
-
[Publications] Miyazaki.,T.,Yamamura,K.et al.: "Prevention of autoimmune insulitis in nonobese dic mice by expression of major histocompatibility complex class IL^d molecules." Proc Natl Acad Sci USA. 89. 9519-9523 (1992)