1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454578
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山村 研一 熊本大学, 医学部, 教授 (90115197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 仁史 熊本大学, 医学部, 助手 (80253730)
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Keywords | ES細胞 / 遺伝子トラップ / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
ES細胞を用いた遺伝子トラップ法は、未知遺伝子の単離ができるだけでなくその遺伝子を破壊したマウスも同時に作製できる。さらに、レポーター遺伝子としてlacZ遺伝子を用いているので、遺伝子発現の組織特異性・時期特異性も容易に解析できる特徴がある。この遺伝子トラップ法を用いて次の研究を行った。 最初に10系統の生殖キメラマウスを作製した。これらを交配し、順次F2世代を得ているが、これまで5系統についてはF2世代でホモマウスが得られ、これらについては胚性致死ではないことがわかった。 前年度通常のlacZを用いたトランスジェニックマウス作製では、Ayu1プロモーターを接続すると、雄の場合次世代が取れず、lacZの毒性のためではないかと考えられた。そこで、核移行シグナルを付けたlacZを構築しトランスジェニックマウスを作製した。その結果、核移行シグナルによって核内でlacZを発現させると毒性が低くなり、次世代を得ることができた。また、核移行シグナルのない場合と発現パターンを比較すると若干異なっていることが示唆された。このことは、lacZの毒性のため片寄った発現をするものしか得られていない可能性のあることを示唆している。 最初に得られたAyu-1クローンでは、上流の配列にオクタマー結合モチーフ等が見られ、また大脳、小腸の神経節で発現するなど興味深かった。そこで、染色体のマッピングを行ったところ第2番H領域にあることがわかった。この近傍には巨大結腸症を呈するls(lethal spotting)という変異マウスが存在することがわかった。そこで、このマウスを入手し同時に解析を行うことにした。上記で述べたようにAyu1プロモーターを接続したlacZ遺伝子(核移行シグナル付き)を導入しトランスジェニックマウスを作製したが、この解析から神経堤細胞の移動の様子がモニターできることが明かとなった。
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