1992 Fiscal Year Annual Research Report
体重の増減の繰り返しが体組成に及ぼす影響とそれに対する運動の効果
Project/Area Number |
04454585
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 正成 筑波大学, 体育科学系, 教授 (90015842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 吉治 名古屋工業大学, 保健体育, 助教授 (30162738)
斎藤 慎一 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (80114081)
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Keywords | ウェイトサイクリング / 体脂肪蓄積 / 運動 |
Research Abstract |
〈目的〉 肥満者や運動選手などが減量の目的で、摂取エネルギーを制限して一時減量した後、エネルギーバランスの調節に失敗して体重を元に戻す現象をweight cycling(WC)という。最近、WCするとかえって体脂肪蓄積効果が高まり成人病(高血圧や動脈硬化など)を発症しやすくなると報告されている。そこで、本研究では、WCが体脂肪蓄積効率を増加させる機構及びそれに対する運動の影響についてラットを用いて検討した。 〈方法〉 12週令のSprague-Dawley系雌ラットを、食餌を1日2食制下で、等カロリーを与えるpair-feedingに2週間適応させた後、非運動群(30匹)と運動群(30匹)に分け、運動群には28m/分、6°の昇り匂配で1日30分、5日/週、トレッドミル走を負荷した。また各群をCON群(10匹;自由摂食量の90%摂食)、FR群(10匹;70%摂食)、及びWC群(10匹;40または100%摂食)に分けて、WC群には9週間に2週間ずつのWCを4回負荷した。4回目のWC時に、diet-induced-thermogenesis(DIT)反応を測定し、ラットを断頭屠殺し、血清、肝臓および脂肪組織を採集して分析に供した。 〈結果〉 非運動群のDIT反応は、4回のWCの結果、全実験期間の摂取エネルギーが等量にもかかわらず、FR群に比べてWC群で小さかったが、運動群では、FR群とWC群の間で差が無かった。また、非運動群の体脂肪蓄積量、血中インシュリン濃度、肝臓及び脂肪組織の脂肪合成糸酵素のmalic engymeとglucose-6-phosphate dehydtogenaseの活性、および脂肪組織のlipoprotein lipase活性はFR群に比べてWC群で高かったが、運動群ではFR群とWC群の間の差は小さくなった。以上のことから、WCによっておこる体脂肪蓄積の増大とそれに伴って生じる代謝内分泌機能の変動が運動によって緩和されることが明らかになった。
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