1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454587
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
跡見 順子 東京大学, 教養学部, 助教授 (90125972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八田 秀雄 東京大学, 教養学部, 助手 (60208535)
石井 直方 東京大学, 教養学部, 助教授 (20151326)
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Keywords | αB-クリスタリン / ストレスプロテイン / 筋繊維組成 / 甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
1。C末およびN末ペプチド抗体の作成によるaB-クリスタリンの局在の再検討:αB-クリスタリンのアミノ酸の配列のC末およびN末の10個のアミノ酸のペプチドを合成し、ポリクローナル抗体を作成した。C末抗体は細胞質のほか核に反応した。N末ペプチド抗体は細胞の周囲と反応した。このことはαB-クリスタリンの機能が従来考えられているよりも重要でかつ必須のものであることを示唆している。 2。ミオシン重鎖との対応関係:αB-クリスタリンと筋繊維タイプの関係を明かにするために、4種類の抗ミオシン抗体(TypeI、TypeIIA、TypeIID、TypeIIB)をSchiaffinoから譲り受けた。抗αB-クリスタリン抗体および抗ミオシン抗体を用いて、ラットの後肢ヒラメ筋と長肢伸筋の横断切片の二重染色を行なった。αB-クリスタリンによる染色強度はTypeI<TypeIIA<TypeIID<TypeIIBの順に強かった。 3。甲状腺ホルモンの投与による筋繊維タイプの変化とαB-クリスタリン:甲状腺ホルモンは骨格筋ミオシンアイソフォームを速筋タイプに変化させる傾向のあることが明かにされている。ラットに甲状腺ホルモン(T3およびT4)を1日おきに10週間与えた後、後肢ヒラメ筋と長肢伸筋の横断切片の同二重染色を行なった。ヒラメ筋の速筋化と長肢伸筋の遅筋化に対応して、αB-クリスタリンの発現も追従して変化したが、TypeIIA TypeIIDの割合が増加した。 以上の実験からストレスタンパク質であるαB-クリスタリンは、筋繊維組成と密接な関係にあることが明かとなった。今後、aB-クリスタリンの機能から筋繊維組成の新局面を明かにする必要がある。
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