1993 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴装置による運動中の筋代謝の非観血的及び連続測定
Project/Area Number |
04454588
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 敬義 大阪大学, 健康体育部, 助教授 (30097331)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亘 弘 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10079692)
|
Keywords | ^<31>P-MRS / 運動 / クレアチン燐酸 / 無機燐酸 / 筋pH |
Research Abstract |
運動中に^<31>P-MRSから観察した無機燐酸(Pi)が2本のピークに分裂することが知られている。しかし、従来の報告では^<31>P-MRSの測定時間分解能が悪いので運動中に分裂した2本のPiピークの動態は不明であった。我々は^<31>P-MRS測定を5秒毎に行えるようにRFパルスを調整し、得られたスペクトラの画像処理を行った。その結果、運動中の^<31>P-MRSからPiピーク分裂状況と筋pHの動態を視覚情報として捉えることが出来た。そして、このPiピークの分裂に関与する生理学的機構を解明するために運動強度、酸素吸入濃度、クーリングダウンの有無などからそれぞれのPiピークの動態を検討することを目的とした。 2.1-T、横置型NMR装置(直径67cm)内で膝屈曲運動を行った。運動中の^<31>P-MRSは5秒毎に測定した。得られたデータを一旦コンピューターにストアして、それぞれの燐化合物のピークの運動による変化の等高線処理及び、その疑似カラー表示を行った。また、PiとPCrの化学シフトから筋pHを求めた。 疲労困憊まで下腿屈曲運動を行った時の^<31>P-MRSのPiとPCrピークを等高線処理し、カラー表示すると運動中のPiピーク分裂状況が明確に分かる。運動開始後にはPCrピークは減少するが、Piピークは運動強度の増加と共に増加し、さらに運動が続くと2つのピークに分裂した。ここでこれらのPiピークの変化とPCrの化学シフト差から筋pHを求めると、運動前の安静時から存在するピークのpHは比較的高いのでhigh-pHの変化を示すピークであり、運動開始後に出現したもう1つのPiピークのpH値はlow-pHのPiピークであった。さらに、このPiピークの分裂に影響すると思われる運動強度の違い、酸素吸入濃度の違い、クーリングダウンの有無による違いを検討すると、high-pHのPiピークは酸化能力の高い筋繊維の動員を示し、low-pHのPiピークは解糖能力の高い筋線維の動員を示すことが示唆された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Yoshida,T.: "Muscle metabolism during repeated exercise studied by ^<31>P-MRS." Ann.Physiol.Anthrop.11. 241-250 (1992)
-
[Publications] Yoshida,T.: "Non-invasive and continuous determination of energy metabolism during muscular contraction and recovery." Med.Sports Sci.,. 37. 364-373 (1992)
-
[Publications] Yoshida,T.: "^<31>P-MRS study of the time course of energy metabolism during exercise and recovery." Eur.J.Appl.Physiol.,. 66. 494-499 (1993)
-
[Publications] Yoshida,T.: "Metabolic consequences during interval exercise in long distance runners." Eur.J.Appl.Physiol.,. 67. 261-265 (1993)
-
[Publications] Yoshida,T.: "Changes in intramuscular pH during repeated exercise." Eur.J.Appl.Physiol.,. 67. 274-278 (1993)
-
[Publications] 吉田敬義: "運動時の^<31>P-MRSのPiピーク分裂と筋pHの動態について." 第8回生理・生体工学シンポジウム論文集. 275-280 (1993)