1993 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアーゼ捕獲因子α2-マクログロブリンによる免疫神経系細胞の機能制御
Project/Area Number |
04454592
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
猪飼 篤 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (50011713)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 秀雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (80211704)
|
Keywords | アルファ-2-マクログロブリン / LRP / 抗原提示 / 軸索伸展 |
Research Abstract |
本年度はα2-MにHIV由来のアミノ酸配列を持つ合成ペプチドを結合し、マウスに投与する事によってマウスに抗HIV抗体を効率よく作らせる実験を、マウスのα2-Mをキャリアーとして用いて成功した。この実験の意味は、昨年度は大量にえられるヒトのα2-Mをキャリアーとして用いていたが、将来のワクチンとしての応用を考えると、ワクチンを抗体を作るべきホスト動物由来のキャリアーを用いるべきであるという考えで行った。その結果、昨年度の結果に増して早い時期から抗HIV抗体の生産が高いレベルで認められたので、将来の人体に対してヒト由来のα2-Mをキャリアーに用いることによって、副作用の少ないワクチン効果を十分期待できるものと判断した。神経細胞に対する効果としては、1μg/ml程度の濃度で樹状突起進展作用を示した。α2-Mに対する受容体は生後2日後位までに最大の発現量を示す事がわかった。受容体の構造に関しては、これを精製後、電子顕微鏡による観察を行なったところ、細長い分子の写真を得た。本年度の成果の一つとして、α2-Mがプロテアーゼを捕獲する際、ペプチド結合の切断に始まって最終的な捕獲にいたる段階的な反応を順を追って速度定数を決定する事が出来た。この結果は、α2-Mがプロテアーゼと遭遇して、後者の機能によりペプチド結合が切断されてプロテアーゼが捕獲されるという反応機構の詳細が理解できるようになったので、この反応を利用してのワクチン開発に対して大きな寄与をなすこととなる。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Mitsuda,S.他: "A receptor-mediated antigen delivery and incorporation system" BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS. 191. 1326-1331 (1993)
-
[Publications] Mitsuda,S.他: "A receptor mediated delivery of an HIV-1 derived peptide vaccine" BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS. 194. 1155-1160 (1993)
-
[Publications] Athauda,B.P.他: "Inhibition of Cathepsin E by α_2-Macroglobulin and the Resulting Structural Changes in the Inhibitory" J.Biochemistry. 113. 526-530 (1993)
-
[Publications] Shibuya,N.他: "Direct kinetics of bait region cleavage of α-2-macroglobulin by a rapid quenching method" FEBS Letters. 326. 80-82 (1993)
-
[Publications] Arakawa,H:他: "The kinetics of conformational changes of α_2-macroglobulin determined by time resolved X-ray solution scattering" FEBS Letters. 337. 171-174 (1994)