1994 Fiscal Year Annual Research Report
低線量放射線によるApoptosis誘発と放射線感受性を決定する遺伝子の同定
Project/Area Number |
04454606
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 大成 大阪大学, 医学部, 教授 (90089871)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 裕夫 大阪大学, 医学部, 助手 (20237275)
藤堂 剛 大阪大学, 医学部, 講師 (90163948)
|
Keywords | Apoptosis / 細胞間期死 / マウス胸腺 / 低線量放射線 / 優性遺伝子(Apo-1) / 劣性遺伝子 / プログラム死 / RI系統 |
Research Abstract |
1.マウス胸腺リンパ球Apoptosisの放射線感受性を決定する優性および劣性遺伝子群:中程度の放射線感受性を示すN4系マウスと抵抗系のC3H/HeJマウスとの遺伝交配により、N4マウスには、単純にメンデル遺伝する1つの優性遺伝子(Apo・1)があることを我々はすでに証明している。従来のIinkage testでは、10染色体しかスクリーニングできなかったので、PCR法を用いた染色体標識遺伝子(マイクロサテライト)による全染色体のマッピングを行った。その結果、第4染色体に連鎖を認めた。更に、N4に加え、放射線誘発Apoptosis高感受性のC57BL/6Jマウスと抵抗性C3H/HeJマウスのRecombinant inbred(RI)マウス(BXH)を用い、この二系統の間に介在する2つの遺伝子(apo-2,3)を見つけ、マッピングを行い第9染色体Mod-1、第12染色体IghCの近傍に、これら遺伝子が存在することがわかった。 2.胸腺リンパ球の集団自決機構:本来、胸腺リンパ球の細胞死は単一の細胞死によるとされていたが、本法により一定数の細胞が集団で死亡するApoptosisであることが判明した。この集団死は、2時間後には観察され、4時間でピークに達する。12時間を過ぎると死細胞は排除され、単一の死細胞が一見散在して観察されるため、誤解されていたのかもしれない。また、胸腺器官培養を行ってみると放射線によるApoptosisは、低温処理およびcyclophosphamideで抑制されることがわかった。 3.リンパ性白血病との関係:マウスリンパ性白血病発生に関する放射線感受性にも系統差が見られ、Apoptosis高感受性マウス系統は白血病高感受性であることを証明した。しかし、RIマウスを用いて検討したところ、異なる遺伝子によることが判明した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Mizutani,T.: "Identification of estrogen receptorin human adipose tissue and adipocytes." J.Clin.Endocrinol.Metab.78. 950-954 (1994)
-
[Publications] Ohsugi,T.: "Engraftment of HTLV-1-ransformed human T-cell line into SCID mice with NK cell function." J.Vet.Med.Sci.56. 601-609 (1994)
-
[Publications] Enomoto,T.: "Analysis of clonality by amplification of short tandem repeats." Diag.Mol.Pathol.3. 292-297 (1994)
-
[Publications] Todo,T.: "High-level expression of the photorepair gene in Drosophila ovary and its evolutionary implications." Mutat.Res.315. 213-228 (1994)
-
[Publications] Kato,T.: "Cloning of a marsupial DNA photolyase gene and the lack of related nucleotide sequences in placental mammals." Nucl.Acids Res.,. 22. 4119-4124 (1994)
-
[Publications] Nakajima,H.: "Enhancement of tumor growth under short light/dark cycle in the mouse lung." Cancer Letters. 78. 127-131 (1994)
-
[Publications] Nomura,T.: "Male-mediated Developmental Toxicity" Plenum Press,New York, 11 (1994)