1993 Fiscal Year Annual Research Report
酵母における複製フォーク阻止システムの解析とその生理機能の研究
Project/Area Number |
04454616
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Research Institution | National Institute for Basic Biology (NIBB) |
Principal Investigator |
堀内 嵩 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (60108644)
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Keywords | 酵母 / 複製フォーク / フォーク阻害部位 / 組換えホットポット / HOT1 / rRNA遺伝子 |
Research Abstract |
酵母には、大腸菌と同じ複製フォークを特異的に阻害する部位が知られている。それはrRNA遺伝子の繰り返し構造単位内、詳しくは35SrRNA遺伝子転写単位の3'末端付近に位置しており、その転写方向とは逆方向の複製フォークのみを阻止すること(極性)が知られている。本研究の目的は、このフォーク阻止システムの機構と機能を明らかにしようとするものである。まず我々はこの阻害部位がゲノムばかりでなく、プラスミド上においても極性のフォーク阻害活性を有するすることを見いだした。これをフォーク阻害活性のアッセイ法に応用することで、それで不明であった阻害に必須な最小領域(約100bp)を決定し、その部位をSOGと名付けた。おもしろいことにその部位は、35SrRNA転写のエンハンサーの隣に位置し、且つ相同組換えのホットスポット(HOT1)に必須な2つの領域の一つ、E領域に含まれることが判明した。SOG部位でのフォーク阻害の生理機能を知るため、更にフォーク阻害活性とHOT1活性との関係を知るため、HOT1活性を失った変異株を多数分離し、それらのSOG部位でのフォーク阻害活性の有無を調べた。その結果、その中にフォーク阻害活性を失った複数の独立した変異株を見いだした。このことは、HOT1の示す高い組換え活性のためには、SOG部位でのフォーク阻害が起こることが必須であることを強く示唆している。これらの変異株の利用と解析から、酵母の複製フォーク阻害システムについての残された問題を近い将来明らかにできる見通しがたったと考えている。
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[Publications] 西谷秀男: "Specitic chromosomal sites enhancing homologous recombination in Eocherichia coli mutants defective in RNase H." Molecular and General Genetics. 240. 307-314 (1993)
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[Publications] 小林武彦: "Identification of a rite for DNA roplication fork blocking activing in the rRNA gene cluoter in Saccharomyces cerovisiae." Molecular and General Genetics. 233. 355-362 (1992)
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[Publications] 日高真純: "Termination complex in E.coli inhibits SV40 replication in vitro by impecling the a ction of T amtigen." Journal of Biological Chemistry. 267. 5361-5365 (1992)