1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454617
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松岡 英明 東京農工大学, 工学部, 教授 (10143653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 泰行 東京農工大学, 工学部, 講師 (70202249)
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Keywords | PC12h-R / 神経成長因子 / 孤立細胞培養系 / 細胞間相互作用 / 面像処理 / 定量的評価 |
Research Abstract |
最近、細胞の成長や分化過程を精密に制御しようとの試みが盛んである。また、本研究は神経細胞に着目し、その分化及び神経線維伸長の諸過程における細胞間相互作用を調べることを目的としており、培養神経細胞PC12h-Rを用いて行われた。はじめに、細胞間相互の全く存在しない孤立細胞培養系を開発した。すなはち底面1mmφ、上縁5mmφ、深さ3mmφの円錐台形ウェルを二次元に配列させたマルチウェルをつくり、各ウェルに細胞を一個ずつ静置し、その神経線維の伸長を観察・記録した。同様にして、各ウェル内の細胞数を変化させ、その結果とも比較した。その結果、神経成長因子(NGF)を加えた時は、全ての場合に神経線維の伸長が見られたが、孤立細胞系以外ではNGFを加えなくても神経線維が伸長した。すなはち、ウェル内の細胞数が1,2,3,4,5および50の時、神経線維を伸ばした細胞の個数は各々0/69,6/68,13/78,13/116,11/80,229/1092であった。この共存細胞の効果について、さらにNGFレセプターとの関連を調べたところ、培地上清のみの効果はNGFレセプターを介した効果を示すこと、細胞自体が共存する場合はNGFレセプター以外の経路による効果があることが示された。 そこで、次に具体的な活性成分を究明するために、培地上清成分に含まれていると予想される化学物質について検討した。この場合、検定法としては、孤立細胞系を用い、これに被検物質を加えた。上述の結果より、この方法は培地上清中の未知成分の影響が無視できる条件になっている。この方法でNGF以外の神経栄養因子(3種)、神経伝達物質(5種)、セカンドメッセンジャー(1種)について各々、独立に、神経線維伸長活性を示すこと、この中で、セロトニンの場合はNGFレセプター以外の経路で、神経芽細胞成長因子(basic)ではNGFレセプターを介して効果を示すものであることが示された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Yamada,J.Cao,O.Sumita,K.Kurosawa,H.Kurata,K.Oh,H.Matsuoka: "Automatic Antifungal Analyzing System on the Basis of Dynamic Growth Process of a Single Hypha" Mycopathologia. 118. 65-69 (1992)
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[Publications] K.Oh,H.Matsuoka,O.Sumita,K.Takatori,H.Kurata: "Evaluation of Antifungal Activity of Antimycotics by Automatic Analyzing System" Mycopathologia. 118. 71-81 (1992)
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[Publications] K.Oh,H.Matsuoka,O.Sumita,K.Takatori,H.Kurata: "Automatic Evaluation of Antifungal Volatile Compounds on the Basis of Dynamic Growth of a Single Hypha" Appl.Microbiol.Biotechnol.(1993)
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[Publications] K.Oh,H.Matsuoka,Y.Nemoto,O.Simuta,K.Takatori,H.Kurata: "Determination of Anti-Aspergillus Activity of Antifungal Agents Based on the Dynamic Growth Rate of a Single Hypha" Appl.Microbiol.Biotechnol.(1993)
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[Publications] H.Matsuoka,Y.Kazuno,T.Hoirie,T.Homma,Y.Nemoto: "Effect of Coexisting Cells on the NGF-inducing Neurite Growth from PC12h-R" Cytotechnology. (1993)
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[Publications] 松岡 英明,根本 泰行,本間 知夫,呉 基鳳,澄田 修生,山田 暁,大野 浩和,井川 勇,松沼 英雄,高鳥 浩介,倉田 浩: "抗真菌活性評価システムの開発" 防菌防黴. 21. 99-105 (1993)
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[Publications] 松岡 英明: "細胞成長の動的計測" 日本農薬学会誌. 18. S1-S5 (1993)